樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

松なのに杉

2007年02月23日 | 木と言葉
写真の樹はヒマラヤ杉です。学校とか広い公園によく植えてあるので、ご覧になる機会も多いと思います。
名前の通りヒマラヤ原産で、誰が決めたか知りませんが「世界三大庭園木」の一つになっています。日本には明治初期に渡来しました。
日本では庭園木にしか使いませんが、外国では建築材に使うそうで、ユダヤ人の間では男の子が生まれるとヒマラヤ杉を植える習慣があるとか。日本で女の子が生まれると桐を植えて嫁入り道具のタンスに使ったように、家を建てる材料を用意したのでしょう。

         
          (京都府立植物園のヒマラヤ杉)

また、エジプトではヒマラヤ杉で棺を造り,この樹から採取した油をミイラの保存剤に使ったと言われています。そこに由来するのか、学名は「香りのいい神の木」という意味のCedrus deodara。
このヒマラヤスギ、名前は杉ですが、植物学的には松です。この「名前は杉なのにホントは松」という木は他にもあって、レバノン杉もそうです。どちらも日本には自生しませんが、なぜか日本に入ってくると杉になります。
ヒマラヤスギが松である証拠は、大きな松ポックリ。これを見れば誰も杉とは思わないですね。

      
        (ヒマラヤスギの松ポックリはでっかい)
コメント (4)
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