樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

神様のお皿

2007年02月05日 | 木と歴史
下の樹はアカメガシワ。春先に出る新芽が赤いのでこの名があります。
繁殖力が強く、コンクリートで固めた崖の隙間からでも幹を伸ばしています。写真のアカメガシワも川の石垣の間に生えていたものです。どこにでも出しゃばる厚かましい樹なので好きになれませんが、秋になると黄葉してけっこうきれいです。

      

カシワと名が付く木の葉は食事に関係していることが多く、カシワの葉は柏餅に使いますし、このアカメガシワの葉は神様に供える食事に使います。伊勢神宮の神事でもアカメガシワの葉の上に神饌を盛るそうです。大昔はお皿として使っていたのでしょう。
また、『古事記』にも面白いエピソードが残っています。仁徳天皇が催す酒宴に必要なので、皇后が紀州までアカメガシワの葉を集めに行きましたが、その間に天皇が浮気していることを知って、集めた葉を全部海に投げ捨てた、という話です。

      
        (大昔はお皿として使われたアカメガシワの葉)

12月に龍谷大学のシンポジウムに参加した際、アカメガシワのお茶をいただきました。緑の葉を干して、そのまま煎じたものだそうです。このお茶を作られた龍谷大学の先生は、「ストレスがあるとき飲むと和らぎます。私も講義の後、よく飲んでいます」とおっしゃっていました。
大学の教授って、大変なんだな~。

      
          (思ったほどクセのないお茶でした)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする