湘南オンラインフレネ日誌

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8/10 観光地茅ヶ崎駅南口の攻防/校長先生は咳払いをするのか?

2010-08-16 05:48:12 | 引きこもり
2010/08/10 記
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昨日の午後、茅ヶ崎駅南口の野宿者たちの前を通ると、市生活支援課若手職員のふたりが、ビッグイシュー元販売員のTさんや、レギュラーIさんたちと、大論争をしていた。何事かと職員Kさんの隣に近づいても、激論は中断もしなかった。話は要するに生活保護を受けて働けということのようだった。

話を聞いていると、Tさんは50代になると正規雇用の口が全く無く、短期や日雇いの仕事で食いつないできたが、部屋を借りると生活保護抜きには家賃に食いつぶされて、仕事の無い月など生きていけないという。仕事を見つけるための生活保護といわれてしまうと、そんな条件と現実は違うというのだった。結局生活保護を頼りにすることになる。正規雇用の仕事を紹介しろというもののようだった。

これに対して、実際に中高年が生活保護をもらって、仕事を得ている例が有る。雇用の口がないと断ぜずに、ハローワークを紹介するから相談せよというもので、ともかくここでたむろしているのではなく、仕事を探せという内容だった。

茅ヶ崎は海岸を財源とする観光地である。表玄関に彼らがいることは汚点であり、解決しなければならない問題である。だから毎年夏が来るとこの激論が繰返されるということだ。

私は引きこもり青年の就労支援の活動の一環として、ハローワークへの付き添いなどを行っている。資格技能の無い中高年の肉体労働の職探しをしていると、契約社員やパートを除いてしまえば、正規採用は選べない状況だし、低賃金である。50代ともなれば、私は藤沢北部の最低賃金以下のラインを知っている。留学生という名の在日外国人の低賃金非正規雇用の現場では高齢男性ではなく高齢女性を雇っている。賃金が安くても女性労働は安く買い叩ける。違法行為だが、これが高齢労働者のひとつの受け皿となっているという闇の状態を知っているのだろうか。あなたたちは、働く意志がないから仕事が無いのだといいたげな口論は、彼らの遍歴を知っての上の話なのかと、聞いている側も黙ってはいられなくなってきていた。野宿者の中には多重債務者もいる。闇金や連帯保証人の罠から破産した者もいる。放蕩の果てというなら、寿町を歩いてみるといい。車椅子で路上に投げ出された高齢者に放蕩の末路と言い切るだろうか。

彼らは人目を避けて夜間、空き缶集めをしているものが多い。だから彼らは昼間ごろごろしている。昼間それをやれば熱中症というようなことだけでなく、盗人として追われることもある。資源ごみを町の余剰として彼らに譲っていた時代はもう過去のものだ。自治会費という形で、資源ごみを持ち去れば窃盗の罪状がつく。社会問題解決の一助として、彼らの廃品回収を組織する動きは聴いたことが無い。住民の意識の中から彼らは消えている。早朝、金属回収業者のところに持ち込み、一日2千円ほど稼げばいい方だ。風呂に入ることすら公衆浴場で差別を受ける現状で、仕事探しのためのモラトリアムとしての生活保護ということが、いえるのは勉強不足である。歩いてみればいい。一度なりと寿町・山谷などの寄せ場を歩いているのだろうか。

私は男性職員Aさんに、尿失禁のある女性の荷物が急になくなったがと問いかけて言葉が終わる前に、Aさんが「本人の同意を取ってあります!」と、言葉を断ったことに驚いた。彼女は精神の病を持っている。長いこと保護を繰返しても逃げ出してしまうことも知っている。「同意」という言葉に介入拒絶の意志を感じていた。Aさんは私の身元を確認してので「湘南あすなろ会」と名乗り、「ビッグイシューの販売を請負っている団体だ」と答えると、イメージがあったのだろう「ああ」とあごで納得して横を向いてしまった。何喧嘩調子になっているのかと不快に思った。

私は認知症高齢者入所の「同意」や、障害が残ったり失敗が生死に関わる手術の「同意」書のように、弱者を乗り越えていく語感を「同意」という言葉に感じている。最近の話でも労働協約書を交わさずに採用しておきながら、トライアル雇用を通告せずに、経営者が噂を聞いて一週間も経ずに解雇するという零細企業の出来事が起きている。縁故採用だったので、当人は泣き寝入りしている。そういう信じられないような事態が、底流では日常茶飯事のように起きている。

野宿者のひとりは、夏場の追い出しだとあっさり断じた。中央公園では夏場、中高生学齢の世代の子たちによる花火や熱湯を使った襲撃が起きており、人目があり交番が近い駅前は身を守れるところでもある。簡易宿泊所とて無料ではない。私は親分肌の中小企業経営者の包摂力には限界を感じている。彼ら自身の仕事作り(地域起業)が始まってこないと、企業はあてにならないと思う。

行政への提案も道のりは遠い。市長の身近なある職員さんは「あまりホームレスへの待遇がよくなると茅ヶ崎がたまり場になっては困る」と語った。それは施策が進んで行われた後でいうべきこと、社会政策としてはまだ具体的な活動が始まっていない。全く逆ではないかと思う。他市町村の施策から突出せず横並びで進みたいという行政職員の根強い意志は捨てるべきだろう。

実は、この日、Tさんに用が会って駅前を覘いたのだ。我が家の庭仕事を請負っている高齢者事業団の*さんが、体調不良、他の事業団の方も9月半ばまで予約が一杯とのことで、Tさんに庭掃除(草取り)を頼みに来たのだった。

母からは、仕事が巧ければこれからもとの話があった。私は我が家の庭仕事が雇用非雇用の上下の目線が忍び込むことが嫌だった。母には今回限りと伝え母は不可解な言葉を聴いた風の戸惑いを感じたようだった。しかしこれは節操というものだ。Tさんは快諾してくれた。時給千円程度の賃金として準備することになった。

私は右ひざの粉砕骨折の後遺症で、しゃがむことが出来ない。だからべたりと地面に座り込まないと草取りが出来ない。だからというわけでもないが、我が家には鎌や移殖ゴテがない。12日、私が墓参に出る日、母は目の調子が悪いので留守番となっていたので、Tさんには12日に来てもらう事にした。12日作業用に鎌と移植ゴテを買った。

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巡回、海老名。
行きの相模線車内にカナー型自閉症の青年と同席。突然大きな咳払いや、起立。騒々しい。同伴の初老の男性と話をした。同伴者は厚木の方だった。海に行った帰りなのだと言う。もしかして咳払いや起立って、先生の模倣?と私が聞くと、ワンテンポ言いよどんで、校長先生らしいとの話。意味があった。どうやら私が偉そうなのらしい。厚木で彼らが降りるまで、彼は咳払いを繰返していた。彼は私のバッグからはみ出していたアルコールティッシュのアルミパックを欲しがったので、あげます!と言葉にして渡した。あげます!のエコーが何回響いただろうか。嬉しそうな表情をしながら、起立だけは治まった。

就労実習を彼も受けているという。ご苦労様と別れの背後に声をかけた。彼は猛然と小田急線ホームに駆け上がっていき、彼も追いかけていった。今の私にはフォローできないこと、駆け足である。就労支援のときに、いずれ問題になるなと言葉を飲み込んだ。

夜間傾聴:小田急相模原君(仮名)



(校正1回目済み)

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