「障害者就労支援シンポジウム PartII~労働施策と福祉施策との連携のあり方を考える~」に参加してきた。ニッショーホール、会場7割の入り。全国社会就労センター協議会、日本知的障害者福祉協会、きょうされん、全国精神障害者社会復帰施設協会、全国精神障害者地域生活支援協議会の主催。
障碍者のライフステージを追って、青年期の就労支援を軸に福祉的就労から一般就労への道を開く険しい道。共同作業所・授産施設からの具体的な取り組みを聞いておきたかった。厚労省の資料の数値が、重度障害者がダブルカウントされていることや、就労訓練・トライアル雇用時の給付金と比べて、企業にパートとして就労したときの賃金の方が安いという不可解な現象の話などは、引きこもり領域から飛び込んだ私のような素人には初耳だった。
企業就労の法定雇用率を達成させようという話にのって、厚労省障害福祉課就労専門官の箕輪優子氏からの話は、民間企業の実雇用率が急速に向上しているという話として資料にグラフを提示していた。すぐに罠に気が付いた。縦軸が「0」からスタートしていない。「0.7」から「0.1」刻みで「2.2」までになっている。描いてみればわかるが、海底から水面の波を描くのと、波だけを描くのとでは、後者が増減が増幅してみえるのだ。しかも横軸が昭和52年から30年間比較しているのだ。当時と比較すれば向上していない方がおかしい。しかも現在に至っても、1.8%の法定雇用率が達成されていない。ひどいものだねと舌打ちしていたら、壇上の施設側関係者からさっそく叩かれていた。
養護学校からの卒業生の就職率は2割で、その大半を身体障碍が占め、6割が施設就労している。その施設から企業への就労は1%に満たないという固定した状況をどう変えるかという話を聞いていた。障碍者の雇用状況が大きく向上しているというのは、身体障碍者が法定雇用率を達成する範囲で、やっと動き出したということにすぎないという。
引きこもり・ニート青年を取り巻く一般就労枠でいえば、フリーターよりさらに正規雇用に敬遠されている状況があっても、それはやはり一般就労の中の話であって、状況からすれば、全く雇用水準が違うのだ。(このことは知っていたが。)
ここに橋を渡す実践を求めたのが、今回の集まりだった。注目したのは世田谷のネットワークが仕事を作り、それをつないでいく活動であったり、和歌山県田辺市のやおき福祉会の「グループ・ペア就労」だった。これは私が提案していた「ケア・パートナー」に一脈通じる発想が流れていた。やおき福祉会の話は別途書いてみるが、見学したい実践だった。
ここの中で描かれてる就労は、まず当事者に作業出来、工賃(または給料)が高い作業の開発という立て方であり、企業就労・または共同出資のように企業が引き上げる職場への就労へとつながる展望を持つ仕事作りという試みだった。
私が考えていたことは、彼らと共に働くことの出来る仕事作り。そのデザインの中に、社会的企業を浮き上がらせ、引きこもり青年たちにスタッフ的に場を開くという発想だった。引きこもり青年を既存の企業枠にはめ込むのではなく、地域就労ネットの重要な一翼として位置づけて、就労を描き直していくという話だった。
JDD-NETの分科会の中で、作業所の女性職員はともかく、男性職員希望者は採用したくない奴ばっかだもんねというブラックユーモアが跳んで、笑いを誘っていたが、今のままの福祉的就労を支えることと、新しい仕事を描き直す地域の社会的就労の労働力としての引きこもり青年の意欲のカギを、障碍者がはずしていくという流れの中の話とは違うだろう。その仕事の具体例を、やおき福祉会の実践はヒントを垣間見させてくれたように思うし、より安定した中間形態を世田谷のパイ焼き窯の実践が見せてくれたように思う。
障碍者のライフステージを追って、青年期の就労支援を軸に福祉的就労から一般就労への道を開く険しい道。共同作業所・授産施設からの具体的な取り組みを聞いておきたかった。厚労省の資料の数値が、重度障害者がダブルカウントされていることや、就労訓練・トライアル雇用時の給付金と比べて、企業にパートとして就労したときの賃金の方が安いという不可解な現象の話などは、引きこもり領域から飛び込んだ私のような素人には初耳だった。
企業就労の法定雇用率を達成させようという話にのって、厚労省障害福祉課就労専門官の箕輪優子氏からの話は、民間企業の実雇用率が急速に向上しているという話として資料にグラフを提示していた。すぐに罠に気が付いた。縦軸が「0」からスタートしていない。「0.7」から「0.1」刻みで「2.2」までになっている。描いてみればわかるが、海底から水面の波を描くのと、波だけを描くのとでは、後者が増減が増幅してみえるのだ。しかも横軸が昭和52年から30年間比較しているのだ。当時と比較すれば向上していない方がおかしい。しかも現在に至っても、1.8%の法定雇用率が達成されていない。ひどいものだねと舌打ちしていたら、壇上の施設側関係者からさっそく叩かれていた。
養護学校からの卒業生の就職率は2割で、その大半を身体障碍が占め、6割が施設就労している。その施設から企業への就労は1%に満たないという固定した状況をどう変えるかという話を聞いていた。障碍者の雇用状況が大きく向上しているというのは、身体障碍者が法定雇用率を達成する範囲で、やっと動き出したということにすぎないという。
引きこもり・ニート青年を取り巻く一般就労枠でいえば、フリーターよりさらに正規雇用に敬遠されている状況があっても、それはやはり一般就労の中の話であって、状況からすれば、全く雇用水準が違うのだ。(このことは知っていたが。)
ここに橋を渡す実践を求めたのが、今回の集まりだった。注目したのは世田谷のネットワークが仕事を作り、それをつないでいく活動であったり、和歌山県田辺市のやおき福祉会の「グループ・ペア就労」だった。これは私が提案していた「ケア・パートナー」に一脈通じる発想が流れていた。やおき福祉会の話は別途書いてみるが、見学したい実践だった。
ここの中で描かれてる就労は、まず当事者に作業出来、工賃(または給料)が高い作業の開発という立て方であり、企業就労・または共同出資のように企業が引き上げる職場への就労へとつながる展望を持つ仕事作りという試みだった。
私が考えていたことは、彼らと共に働くことの出来る仕事作り。そのデザインの中に、社会的企業を浮き上がらせ、引きこもり青年たちにスタッフ的に場を開くという発想だった。引きこもり青年を既存の企業枠にはめ込むのではなく、地域就労ネットの重要な一翼として位置づけて、就労を描き直していくという話だった。
JDD-NETの分科会の中で、作業所の女性職員はともかく、男性職員希望者は採用したくない奴ばっかだもんねというブラックユーモアが跳んで、笑いを誘っていたが、今のままの福祉的就労を支えることと、新しい仕事を描き直す地域の社会的就労の労働力としての引きこもり青年の意欲のカギを、障碍者がはずしていくという流れの中の話とは違うだろう。その仕事の具体例を、やおき福祉会の実践はヒントを垣間見させてくれたように思うし、より安定した中間形態を世田谷のパイ焼き窯の実践が見せてくれたように思う。