湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

企画を立てるという事/引きこもり青年のセンサーは優秀なり

2008-11-05 11:03:50 | 引きこもり
明け方、■■君から「今日は欠席する」と専用携帯に電話が入った。マウスのコードが手に絡んだ状態で眠っていた。まもなく5時。様子がおかしいので、自宅の電話を誘導して聞き出した。携帯には彼のものか、携帯番号が表示されていた。この時間帯、本校や担任宅に電話を入れても対応できない。引き伸ばしを図って、一応担任にPCからメールを送った。案の定応答が無い。

話をしているうちに、先方が笑い出した。「せんせ、警戒してんだろ。今、犬の散歩しているんだよ。心配するな。」という言葉の直後に電話がガザガザと音をたて、鼻息と犬の甘えたうめき声が飛び込んできた。

それにしても、どこで専用携帯の番号を知ったのだろう。昨日までこの犬にはクラス担任の名前が付いていた。今日から私の名前にしようかと、彼とは失礼な話をしていた。信号の音がして、彼は電話を切った。家に電話をしたら、母親が驚いた声で、家の喧嘩がわかったのかと奇妙な勘違いをして動揺していた。信号音がしたと私が言うと、ああ、それではすぐに帰ってくるわと、親御さんは、ひとり言のような言葉を返してきた。彼は口論のクールダウンに私を使ったようだ。一件落着と思って電話を切った。

さきほど、メールを出した報いで、専任**から電話で起こされた。始末のメールを入れていなかったのが失敗の元。父のデイサービス送り出しまで仮眠が取れると思っていたのだが。経過を伝えて電話を切った。彼が専用携帯の電話番号を知ったのは当たり前で、(在校生向け)通信に乗せているではないかと笑われた。そういえばそう。私が通信を読んでいない証拠だった。

こういうちょっとした連絡もたまにはいる。慌しく父の朝食を作って、おしぼりを暖める。昨日派手な転倒をやってくれたので、尻を拭くぼろきれも暖めて、洗浄液につけた入れ歯を洗って、お盆にのせて、白髪頭が2階の父を起こしに行く。子機の電話はベッド下に落ち、ポータブルトイレは、蓋が開いたまま悪臭を放っている。紙おむつははずされて、ゴミ箱にむき出しで捨ててある。これでゴミ箱洗浄の仕事が増えた。シーツを応急処置して、陰部を清拭。紙パンツをはかせて、朝食を取らせた。「手が汚れているから拭け」と出したおしぼりで、手を拭かずに顔を拭いている。ため息がでる。やがて母が起きて2階に上がってくる。追いかけるようにホームの迎えの玄関チャイムが鳴って、担当者が部屋にやってきて、私が階段の下側の支えになって父を下ろし、玄関の車椅子に座らせて、状態の伝達確認を済ませて出て行った。

朝刊を取りに門に出ての帰り、驚いた。庭に父の靴が片方落ちていたからだ。上履きを持たせているから実害はないが、ホームに連絡しておかないと、担当者による大捜索になってしまうので、ホームに連絡。私は笑いながら電話を切ったが、覆いかぶさるような疲れがどっとでてくる、一応の区切り。

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昨晩は父の薬が突然切れて、予約電話で医師と話したばかりの医院へ薬をもらいに出かけていた。母が胃カメラの後の調子が悪いと嘔吐を繰り返していた。父は宗教団体の懇意にしている信者さんの目の前で、またサイドテーブルごと転倒し、信者さんと母が大騒ぎで父を引き上げた騒ぎを起こしていた。その対応が気に入らないと、面子つぶれを母に当たっていた。その結果の嘔吐だった。私はいつ携帯が鳴り出すかと気になる中、やっと受付の看護師との話が付いてほっとしたら、振り返ると、あれあれ、☆☆さんが医院にいらしていた。全然気づかなかった。夕食の準備が間に合わなかったので、私の頭は半分、記憶のレシピを繰っていた。医院の目の前に肉屋があった。私は夜の巡回が迫っていたので、この出来合いのものを出しておけばいいと、飛び込みの買い物を済ませて家に戻った。

家は悪臭に満ちていた。母は父に対応できずに、寝室にうつぶせになっていた。巡回先に駅前ではなく家で待つようにと連絡し、遅刻をわびて電話を切り、便の始末をすませて、夕食の一式を父に届けて、慌しく家を出た。20分遅刻。

先方は波乱も無く、学習指導だけで終わったが、藤沢に着いたら自分の夕食をたべていないことに気が付いた。食事をしたら終バスが出てしまった。歩いて20分。母と携帯で、父の寝る前の傷口の手当の件を話していた。介護は一日中の仕事。ひとりで支えることになったら身が持たない。

大アザの父の臀部に薬を塗って、パジャマを履かせて、これで一日終わりと思って階段を降りる。介護は甘くない。一時間後、闇の中、父の足を引きずる音が聞こえて、尻餅をつく音。

それは、レポートと日誌を仕上げて、メールで送った直後のことだった。父がすぐに立ち上がったので放置した。夜食のパンが尿臭い気がした。幻覚なのだった。

行跳びを起こす書は、左目だけで読んでいる。右目は中央部の緑内障の影で読み取れないからだった。LDの子達にカーソルを当てて読ませることがあるが、私のものは数行分の窓。これで読み進めていく。

今知りたいのは、企画の長期マネジメントを行うとき、予算立てする基礎資料のそろえ方と必要資料の選択法だった。見通しの分からない企画では誰も動かない。しかし、実際にどの規模からどのような誘導を通して、当座どこまでの形を作りうるかという予測。ここがリアルでないとならないし、その企画がどのような課題解決を可能にするかを、方法への興味で、ぶれさせてはいけない。ところが協力者の予測が全く立たない。それは組織をバックにしていない私の限界でもあった。念入りに、コマのない将棋の勝算を書いていく。必要な部分を読んでは、必要なデータの抽出と、圧倒的に分散していく連想の書きとめをメモ書きに残して、関連調査のアクセスをする。この藪こぎの連続が作業となる。

路上生活者支援から始まる障がい者支援と、本人活動の芽作り。この「路上生活者から」が皆の違和感をかきたててしまう難点をどう超えたらいいのか。「生き辛さを媒介に」と口では言う。精神障がいの世界では、境界例や鬱などのひろがりが、引きこもり青年・ネットカフェ難民・路上生活者へと重なっていくが、医療を軸とした結集軸とは、様式が違う。このために、知的のみならず、精神の方からも異端化されてしまう社会的課題の領域を、どうマッチングさせていくかが見えてこない。新規事業の仕事の流れに飲み込んでいく以外、古い言葉で言えば「止揚」の道は見えないだろう。火のつくところからはじめていかなくては始まらないという思いは、障がい者団体との交点をもちえないのか。このへんのどうどうめぐりのなかで、いつの間にか、■■君の電話がかかるまで、PCを前に眠っていたのだった。

夜間傾聴:******君(親)
     橋本君(仮名・こちらから)
     ■■君

(校正2回目済み)

コメント
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