日々のことを徒然に

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疱瘡との戦い

2021年01月05日 | 地域

 新型コロナウイルス感染対策として今週中に2回目の緊急事態宣言がやっと発令される。その詳細な内容は詰められているが飲食業者に過多な負担をかける内容が報道されいる。なんとしても感染拡大は食い止めなければならないが、変異型のウイルスも国内で確認されている。入国は止まるらしいが、コロナウイルスには未知の部分が多い。今回の宣言に効果あることを期待する。
 
 医学がまだ幼稚であった享保17(1732)年に改訂された「疱瘡遠慮定」が岩国藩にあった。これは疱瘡対策として病魔と対決し、藩主を守り抜くものであった。しかし、その解説を読むと、新型コロナウイルス感染防止対策として喚起されることと類似の内容もある。藩主を守る目的だったが領民も救われたのではなかろうか。

 禁令の中心になるのは、発病者は完全に隔離する。患者もしくは患家に接触した者にもそれぞれ隔離の規定がある。疱瘡が確定すれば出入りを禁止、患者は郊外の疱瘡村へ移す。接触者は外出を10日間は遠慮する。旅から帰還したものは75日間文通指し止めなどだが、是非それぞれの意見もあったというが、流行病いとの戦いの一端を知る。

 隔離を強行するから、患者の家に対して療養費(退飯米)を補助した。また、疱瘡退散の神として千石原に鷺大明神が創建された。亡くなった人のため各所に「疱瘡墓」を設けた。医学もそれにかかわる情報も乏しい中で岩国藩くらい病気と対決し禁令を強化し実践した藩があっただのだろうか、そこは歴史家にお願いする。コロナに献身される医療や介護関係者にはただただ敬意を表するしかない。
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