日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

公衆電話 2

2021年01月26日 | 生活・ニュース

 山あいで数少なくった憩いの場でもある小さな喫茶店。東京からみえて長期滞在されるという婦人が「毎日コーヒーを飲みに来ています」と愛想いいママの顔を見る。店の前の通りはこの町の中心街で人通りは絶えなかったというが、過疎化とコロナ禍もあってか、車が3台止まっているだけで人の姿は見えない。

 暖房の聞いた店でマスク越しの会話をしている時、定かではないが、いつか聞いたことのあるような呼び出しというか、お知らせというか、単調な音が聞こえる。ママが音のする方へ急ぎ「はい、もしもし」と応対している。その音はカウンターの端に置かれた公衆電話の呼び出し音だった。

 何度か訪れている店だが公衆電話が置かれていることには気づかなかった。この型の公衆電話は初めて見た。ママは「ピンク電話です」と話すが知っているこの色の公衆電話とは型が違う。この電話はNTTの「675P-VBピンク電話」で特殊簡易公衆電話とある。プッシュトーン方式で1985年から20年間生産された。赤ボタンを押すと緊急通報は無料とある。

 多くの人がスマホか二つ折りの携帯電話を所持するこの頃、この電話を利用する、ここから掛けるお客さんがあるのだろうか、そこは聞き洩らした。喫茶も食事もそしてカラオケも出来る店、ローカル色豊かな人情ドラマの舞台になりそうな店内、隅っこの公衆電話がそれを引き立てる。どなたか使ってみませんか。
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