日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

錦明館 2(岩小)

2018年05月22日 | しっちょる岩国

 錦明館の展示場は和室でいえば20畳ほど、備え付けのスリッパに履き替えて鑑賞する。入り口に近いところに「盃 錦屏山焼 明治四十五年 岩国小学校建築記念」と記した表題の盃が1個ある。岩国小学校は60数年前に卒業した母校なので興味がわく。盃の底に描かれた桜の図案は小学校にふさわしい図柄に見える。花の中心の色濃い菱形とそれを3つに分けるかのような2本の白い線を見たとき、校章の原型ではないかと気づいた。

 顔を近づけてみていると「残っているのはこれ1個でしょう」と話す館長さんに促され裏返してみると高台の内側に表題と同じ記述がある。岩国小学校は明治2年に岩国藩学校として兵学校、同3年文学校を設立、同4年錦見小学校として発足した。その後変遷を経て大正2年に全校舎改築完成式挙行とある(岩小沿革史より)。明治45年は大正元年であるからほぼ一致する。

 岩小の校章は菱形で中央に「岩」の文字があり、これを〖〗で挟んでいる。色は金色、小学校の時は学生帽にこの校章を帽子の正面に取り付け、四季を通して冠って通った。帽子に穴を開け、校章のあしを通し内側で折り曲げて固定する。今は男女とも帽子を冠っていれば大方が野球帽、地元カープの赤が多い。

 かって岩国には志向焼、多田焼、皿山焼、錦屏山焼など、市民にもあまり知られなかった焼物が記録に残っている。作者の名前が残された作品もあるが、絶えてしまったものばかりだが貴重な作品を見ると、陶芸は分からくても残されていることに感動を覚えるし、悠久の時を過ごした焼き物にその時代を聞いてみたくなる。
コメント
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