日々のことを徒然に

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読めなかった字

2018年05月12日 | 生活・ニュース

 国会答弁風に書けば「回数は記憶しておりません」と言えるほど通った道でのこと。交差点で信号待ちになった、この回数も同じく記憶していないが支線なので待ち時間は長い。ふと横を見ると橋名のプレートが目に入った。今まであることに気づかなかった。そこに刻まれた4文字のうち2番目の「蜑」が初めて目にする字で読めない。そこは「天地(あまち)」と呼ぶ地域なのでもしや「しもあまちばし」かと思い帰宅した。

 ワードのIMEパッドで調べると「タン、ダン、あま」3つの読み方が載っている。もしや「あま」との思いつきは当たっていた。電子辞書の広辞苑では「あま【海人・蜑】。海で貝や魚をとり、藻塩などを焼くことを業とする者」。その他1種類には同意で載っているがそのほかの6種類には蜑の字そのものが載っていない。古い文字なのだろう。

 現役のころには開いたかもしれない本棚の古い辞書、新明和国語辞典第四版には「あま【蜑】漁業をする人。漁師」とあった。私立図書館発行の「郷土岩国のあゆみ 知名のおこり」に、1310年ころ成立した「夫木和歌抄(ふぼくわかしょう)」に天地が詠まれているとある。それから300年後、岩国は吉川藩となって干拓により広大な地が出現した。天地はその昔、隣の藤生地区とならび漁業が栄えていた、そんな空想を抱かせる。

 パソコンと電子辞書を使えばわずかな時間で漢字の読みも変換も出来る。それが失敗のもとで意味の取り違えや誤変換で失敗をする。先日も、読みは同じでも意味違いをそっと報せてもらえた。マスターした英単の頁を食ったという知人がいた。それは無理だが、文字も言葉も確認して確定する、改めて感じさせてくれた橋名板だった。
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