文豪ストレイドッグスDEAD APPLE(2018年 アニメ映画)

2021-02-23 00:00:10 | 映画・演劇・Video
作家中島敦のことを調べてみると、非常によくある平凡な人間的な人生だったことに、逆に親近感を持ったのだが、アニメ『文豪ストレイドッグス』シリーズの中では最重要人物になっている。有名作家の実名で登場した人物が、横浜を舞台とした奇怪な事件に絡みあっていく。もとはと言えば、鶴見川で自殺しようとした太宰治を中島敦が救助したのだが、実際の鶴見川は河口こそ大河だが、マイハウスの近くではせいぜい水深50センチ(洪水の時は濁流になるのだが)。

実際の中島敦は横浜元町にある女学校の国語教師を長く勤め、その後、パラオにあった南洋庁で現地人に日本語を教えることになったが、持病の喘息により日本に戻る(パラオは南洋と言っても、そんなに暑くはなく喘息の快癒にはつながらなかった。

それで、アニメでは様々な作家が登場するが、作家は異能力者という設定になっている。本物の上級国民だ。その異能力者が自殺する事件が多発する。特に横浜で。異能力者を邪魔者と考えるグループがいるわけだ。横浜の街に濃い霧がかかると、異能力者が自殺を始める。この霧を司る男が澁澤龍彦。私は愛読者だが、相当な悪者にされた。その子分が太宰治。実在の太宰は異能があったわけでなく大の努力家で習作は柳行李2本分あったそうで、他の作家の才能を恨んでいた可能性はある。

下界と切り離された霧の中で異能力者は自分自身と自分の中の異能との闘いを続け、その結果自殺願望に至るということらしい。

劇中、キレのある表現が多数登場するが、そもそも作家はそういうのが得意だ。

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