父親が亡くなってから、夏の終わりで1年経ち、一周忌を出身地で行うことになった。おおた家の祖先は、菩提寺の過去帳によれば、1707年に始まり、私で9代目ということになっている。1707年と言えば、富士山が最後の噴火をした年だ。
子孫に残すべき重要な伝言は、本来、紙と文字とで残すべきところを、伝言ゲームで行っていたため、不明確の極みだが、元々地方都市で海産物問屋をやっていて、ある時に、貯めたお金で農地を買って地主業に転向したといわれている。ある時というのが初代なのか、それより後なのか不明で、さらに神主もやっていたらしいが、途中で不始末があって、仏教に変わったとも言われる。海産物問屋は「山形屋」というそうだが、それでは有名な「山形屋」とはどういう関係なのかといわれても、たぶん関係ないだろうというしかない。
パズルのピースが少な過ぎて江戸時代のことは何も組み立てられない。
といっても、要するに今では過疎地に近い山奥に地区の共同墓地があって、先祖様の墓参りをすることは極めて困難だし、日頃の管理も不可能だ。現に、いくつかの家の墓地は清掃が行われているが、不在の方や家が絶えた墓は荒れ果てたまま残されている。跡取りが戦死した墓地もまもなく放置状態になるはずだ。それでも墓地管理上問題がないのは、今後その地区で人口が増えることは考えられないので、新しい墓地を確保する必要がないからだが、荒れ果てた墓地は、いかにもまずいだろう。
さらに、祖先はどのような墓を作っていたかというと、いわゆる夫婦墓(めおとはか)で、一世代で一基ずつ立てている。両親も健在の頃に早々と作っていて、とりあえず昨年の納骨の時には、関東で火葬し、関西風の小さな六寸壺(直径18センチ)に収め、墓石の下(カロート)に収めている。
となると、私が9代目なのだから8基あるはずなのに、困ったことに11基も立っている。神道式の供養塔と仏式の供養塔が1本ずつあり、さらに身元不明の方の小さな地蔵が一基。幼児の頃に亡くなった方のように感じるのだが、伝承では住み込みの使用人の方が家の二階から転落して亡くなったということなのだが、使用人にも実家があるのだし、ここに埋めるとは考えにくい。結局、謎のままとなるのだが。
ということで、行く手に色々と問題があるとは思うものの、関東に移動し、全部まとめて一基のおおた家の墓にしよう、と基本方針を立てることにした。といっても、こういうことの知見はゼロなので、雑誌やネットで調べると、いくつかの基本的な事項に様々な障害があることがわかる。新しい墓地を契約して、現在の墓地から何本かの新しそうな石をレンタカーで運んで、コツコツ自分で削り直して穴の上に置くなんてことには絶対ならないわけだ。
子孫に残すべき重要な伝言は、本来、紙と文字とで残すべきところを、伝言ゲームで行っていたため、不明確の極みだが、元々地方都市で海産物問屋をやっていて、ある時に、貯めたお金で農地を買って地主業に転向したといわれている。ある時というのが初代なのか、それより後なのか不明で、さらに神主もやっていたらしいが、途中で不始末があって、仏教に変わったとも言われる。海産物問屋は「山形屋」というそうだが、それでは有名な「山形屋」とはどういう関係なのかといわれても、たぶん関係ないだろうというしかない。
パズルのピースが少な過ぎて江戸時代のことは何も組み立てられない。
といっても、要するに今では過疎地に近い山奥に地区の共同墓地があって、先祖様の墓参りをすることは極めて困難だし、日頃の管理も不可能だ。現に、いくつかの家の墓地は清掃が行われているが、不在の方や家が絶えた墓は荒れ果てたまま残されている。跡取りが戦死した墓地もまもなく放置状態になるはずだ。それでも墓地管理上問題がないのは、今後その地区で人口が増えることは考えられないので、新しい墓地を確保する必要がないからだが、荒れ果てた墓地は、いかにもまずいだろう。
さらに、祖先はどのような墓を作っていたかというと、いわゆる夫婦墓(めおとはか)で、一世代で一基ずつ立てている。両親も健在の頃に早々と作っていて、とりあえず昨年の納骨の時には、関東で火葬し、関西風の小さな六寸壺(直径18センチ)に収め、墓石の下(カロート)に収めている。
となると、私が9代目なのだから8基あるはずなのに、困ったことに11基も立っている。神道式の供養塔と仏式の供養塔が1本ずつあり、さらに身元不明の方の小さな地蔵が一基。幼児の頃に亡くなった方のように感じるのだが、伝承では住み込みの使用人の方が家の二階から転落して亡くなったということなのだが、使用人にも実家があるのだし、ここに埋めるとは考えにくい。結局、謎のままとなるのだが。
ということで、行く手に色々と問題があるとは思うものの、関東に移動し、全部まとめて一基のおおた家の墓にしよう、と基本方針を立てることにした。といっても、こういうことの知見はゼロなので、雑誌やネットで調べると、いくつかの基本的な事項に様々な障害があることがわかる。新しい墓地を契約して、現在の墓地から何本かの新しそうな石をレンタカーで運んで、コツコツ自分で削り直して穴の上に置くなんてことには絶対ならないわけだ。