国家の命運(薮中三十二著)

2015-12-07 00:00:25 | 書評
外務政務次官であった薮中三十二氏の経験を基にした回顧録的な書である。外務省に入省したところからの偶然や、外交官としての活動の初期は、もっぱら米国との難交渉が続いたこと。

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本当に経済戦争を平気で起こそうとしていた米国のわがままとの交渉の裏側で、日本流の「いわれてから考える」「自分からは動かない」といった交渉の、必然性などが書かれている。その一部は外交交渉で失敗したのが戦争に突入し敗北した理由と考えられているからだ。

最近の情勢では六ヶ国協議の行き詰まりの現状を分析。北朝鮮流の外交のやりにくさなどである。

それにしても本のタイトルは、書かれている内容よりもかなり過激である。おそらくは外交交渉の失敗で日本が戦争に突入していったというトラウマがあるのだろう。ガラパゴスなのは、携帯電話よりも外交交渉なのではないだろうか。