元女流名人が八百長で勝った時

2010-06-05 00:00:19 | しょうぎ
林葉直子さんの復帰戦は7月に行われるらしい。



問題は、その棋力。引退時と同等あるいはそれ以上強いのか、あるいは相当弱いのか。将棋を離れていた期間は長いが、将棋の力というのは、定跡や手筋といった記憶に頼る部分と、構想力といった思考の部分に分かれるのだろうが、今流の定跡を覚えておけば、それほど弱くなるようなものではないだろうとも思える。



本当は、気軽に一局といきたいところだろうが、そういうわけにはいかないだろう。多くの注目の集まる一戦であるのだから、何としても勝ちたいだろう。

その、「何としても」ということだが、本当は、「何をしてでも」というわけにはいかない。対局前日に、こっそり相手宅を訪問して、紙切れを何枚か渡すということになれば、大問題だ。

ところが、彼女から対局前夜に紙切れ二枚をもらって、八百長負けした男がいる。

先崎学

ここからは、先崎著である「一葉の写真」よりの情報。

たまたま、林葉さんも先崎さんも同じ師匠だった(不幸の始まり?)。そして二人が弟子の頃は師匠宅へ住み込みだったそうだ。そして、ある時にバリカン事件が起きる。米長家に届いたバリカンで、林葉さんは先崎少年の髪を切り始めたのだが、失敗。何を勘違いしたが、刈り込み過ぎてハゲになった部分を、黒マジックで塗りつぶそうとしたらしい。

あわてた先崎少年が師匠のY氏に泣きついたところ、復讐のために「明日、林葉さんの髪を賭けて、二人で対戦しなさい」ということになった(そういう発想からして、ちょっと・・。髪以外を賭けさせたことがなければいいのだが)。

そして、その夜、少年の部屋に少女が忍び込んだわけだ。そして、運命の対局前夜に彼女が差し出したものは。

「紙切れ2枚」だったそうだ。

つまり、受け取ってしまった以上、契約成立ということになったわけだ。


さて、5月22日出題作の解答。



▲2三銀 △1三玉 ▲2五香 △同金 ▲同飛 △2四玉 ▲1三飛成 △3三玉 ▲3二銀成 △4四玉 ▲4五金 △同金 ▲3三龍まで13手詰。

途中で金を手にして、頭金の手筋で追うが、結局、この金の処分に困り、捨て駒として処理することにする。

動く将棋盤は、こちら

今週の問題。



わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。