米軍座間キャンプのゴルフ場問題

2010-06-21 00:00:41 | 市民A
政令指定都市でもある相模原市の加山市長が、直接、北沢防衛相に面会して、要望したのが、ゴルフ場の件。それも米軍キャンプ場内のゴルフ場から、ボールが飛びださないように配慮してほしいというのだが、かたや普天間問題とはレベルが違うようだが、実は同じような話らしい。

米軍ゴルフボール飛び出し、防衛相に対策要請 6月12日11時8分配信 読売新聞

神奈川県の在日米陸軍キャンプ座間ゴルフ場から相模原市の住宅街にゴルフボールが飛び出している問題で、加山俊夫市長は11日、北沢防衛相に面会、飛び出し防止のための抜本的な対策を取るよう要請した。
北沢防衛相は、「要請内容を米軍に伝え、改善策を米側と調整する」と答えた。

北沢防衛相に提出した要請書では、米軍による防球ネット増設後も、隣接する住宅地へのボール飛び込みが続いている現状を訴えたうえで、「抜本的な対策を講じるまでの間、レイアウトを変更するか、ゴルフ場を一時休止する」よう求めている。

加山市長は、ゴルフ場の図面や航空写真を持参、近隣の公園に飛び出す原因を詳しく説明し、「近隣住民が危険にさらされ続けている」と対策の必要性を強調した。


ボールの飛び出しは2008年、ゴルフ場のレイアウトが変わってから急増、小学校5年男児の顔に当たってけがをする事故が起きた。その後、米軍側が防球ネット増設や使用クラブ制限などの対策を取ったが、今年4月以降も8個のボールが確認され、住宅街へのボール飛び込みが続いている。



まず、座間キャンプなのに座間市長ではなく相模原市長というのは、米国陸軍座間キャンプの所在地は座間市と相模原市にまたがっていて、ゴルフ場は相模原市側にあるということ。

航空写真を見ると、たしかに、ホールとホールの感覚は狭いし、隣地との距離がない。方や敷地の内側いっぱいにゴルフ場を作ったら、住宅地が境界線まで広がってきてニヤミスになっているということだろう。順序は少し違うが、普天間の問題も同様。



この問題は、昨年来、地元では協議が続いていて、あれこれとやっているうちに、ついに市長が怒りだしたということだろうか。神奈川新聞のHPを読んでいると、昨年からたびたびこの問題が取り上げられていた。

まず、ボールが飛び出すのはおもに5番ホール。たまに1番ホールでも事故があるようだ。

5番ホールはパー5ということで、どうもティーショットが敷地外に飛び出すというとだそうだ。本格的に対応策が検討されたのが、昨年初。フェンスの設置が終わるまで5番ホールを使用停止にして、代わって6番ホールを二つに分割してパー3にするということだった。

しかし、2009年6月11日に、6番ホール分割では、プレーヤーの方が危険なので、5番ホールをパー3で運用することにし、8月に予定されるネットの設置後はパー5に戻すと通告がある。

しかし、ネットの設置は、遅れに遅れる。どうも20万ドル(2000万円)の予算がなく、工事の発注が遅れたということで、最初は8月の完成予定が遅れに遅れ、2010年1月末となる。

その結果、5番ホールはパー5に戻したもののグリーンの位置が境界線に近いため、実際には、飛び出しが相次ぐことになる。

また、前から問題だった1番ホールではティーショットが、35m×40mのフェンスを外れて飛び出すケースが続いているようだ。

5番ホールでは、さらに、「ドライバー使用禁止」ということになっているのだが、何しろセルフコースだし、使用禁止を破った場合、ペナルティが「1年間ゴルフ場使用禁止」ということらしい。

ただ、どうしても、下手ゴルファーの不確定スウィングの結果は、敷地外へのOBということになるような気もする。

その結果、市長が怒って、防衛相に対して陳情し、暗に、「フェンス代」を国が払ってほしいという要望をしている、ということなのだろう。


ところで、地元でこの問題が語られる時は、かなり問題の所在がずれているわけだ。

誰がプレーをしているのか

つまり、このコースを利用しているのが米軍そのものであるなら、問題は普天間的方向になるのだが、使用者の大部分が日本人であるということが問題になっているわけだ。

つまり、平日には利用者が少ないが、土日には多くの日本人プレーヤーが集まってくる。だから、外に打ち出す人も大部分が日本人であるということ。

といっても、誰でもこのコースでプレーすることができるわけではない。

このコースを回ったことがある人は、以外にも多く、知人にもいる。話を聞いてみると、「どこからとなく」、お誘いがくるそうだ。トモダチのトモダチのトモダチということらしい。

そして、事前に名前を英語で登録しておいて、当日、キャンプに行くと、顔写真付きの証明書のチェックのあと、12,500円を払うそうだ。プレーはカートに乗って回り、米国式で18ホール一気に回る。途中で売店があって、巨大なホットドッグやバーガーを食べるらしい。

コースの難易度はかなり高く、本格的なアイランドグリーンやアリソンバンカーがあるそうだ。難コースで結構詰まっていて6時間くらいかかるらしい。



つまり、本格的なコースである、ということ。

そして、このコースを回る権利というのが、基地の内側からつながる特定の利権ルートということになる。米軍の日本人対策ということ。



ただ、そういう特別なコネがなくても、普通の人がこのコースでプレーするための裏道がいくつかあるそうだ。

一つは、地元のゴルフ練習場で、ここに通って関係者と懇意になると、紹介してもらえるらしい。

もう一つは、『WWGA(ワールド・ワイド・ゴルフ・ソサイエティ)』というゴルフの会に入会すること。関東(静岡)地区のいくつかのゴルフ場で、大会を開いているそうだが、ここに入会すると、キャンプ内のゴルフ場が9000円で利用できるそうだ。

実際に、どちらの方法も選ぶことはないだろうから、私が1番ホールや5番ホールに立つことはあり得ないだろうが、もし、フェンスの外に打ち出しても、たぶん、打ち直した後、誰にも言わないだろうと思うわけだ。打つ前に、ボールの表面をよく拭いておくかもしれない。