凸版のネット展開はちょっと変?

2007-08-30 00:00:55 | マーケティング
先日、凸版印刷で伺った話だが、ネット上に二つのサイトを立ち上げているということだ。「しゅふー」と「ぱらりー」「しゅふー」は”ちらしの総合モール”で「ぱらりー」は”カタログデパート”と読んでいる。

7de9217b.jpgまず、「しゅふー」だが、ネーミングが「主婦的」だ。郵便番号を打ち込むと、自分の住んでいる地区で配られている、新聞の折込チラシの一覧が表示され、そのチラシについて、表面と裏面がわかるようになっている。ただし、もちろん、凸版印刷が関係したチラシだろう。こんな大会社が技術の粋を使って、折込チラシを作るとは思えないから、下請けの下請けみたいな話なのだろう。確かに便利だが、新聞には多くのチラシ広告が入るため、いささか寂しい。例えば、日用品だって高額電気製品だって、自動車だって、複数の情報を比べてから購入するのが一般的なのだから、このチラシ検索システムが有効かどうか、考えにくい。

つまり、新聞にチラシを折り込むということは、小売店の方は、同業他社との競争上そうしているのだから、消費者だって、各店舗を比較するわけだ。あるいはカカクドットコムのようなシステムを使う。なにしろ、まったくIT的じゃない。既にアナログで撒き散らされたチラシをデジタル化するだけなのだから、付加価値はかなり低い。もし、地方都市に在住していて、商店が1軒しかないような場合、そのチラシを見て買いに行けばいいのだろうが、そういう経済条件の場合、その商店はチラシなんか配らないだろう。

それに凸版自体、印刷物は「作品」と公言しているのだから、チラシの本質とは大違いだ。チラシは間違いなく生鮮食品と同じで、世間の眼に触れてから数日後には「ゴミ」になる宿命は免れない。


7de9217b.jpg次に「ぱらりー」だが、これはもう少しグレードが高い。大型の商品カタログを集めたサイトである。ユニクロやセシールなど。こういった企業のカタログは大型でキレイで、おカネがかかっている。基本的には、それ自体が「作品」と言えなくもない。しかし、カタログ自体は長持ちするのだが、問題は、その中身。当然ながら、中に掲載される商品群は期間限定になる。価格も同様。カタログ商品の半分は中国製品かもしれないが、様々な商品の価格は二ヶ月程度で変更される。年末に大掃除などすると、必ず、こういう大型カタログブックが何冊も出てくる。

それで、この「ぱらりー」だが、機能的には大きく2点。一つは、各種カタログのホームページに飛んでいけること。単に”リンク”ということ。もう一つは、その各種カタログを、この「ぱらりー」を使って購入できること。その他の機能は色々ついているが、ほぼ動いていないようだ。


思うに、凸版印刷は、世界最大の印刷会社なのだが、ほぼすべてのビジネスモデルがB2Bと言われる、大中小の企業からの受注による。また、製品というのは、すべて、受注先の必要に応じて、印刷物を作るという行為によるわけで、自分の製品というは「自社のパンフレット」くらいだ。直接、ユーザーに訴えかけるB2Cは、まったく不得意というか場違いというか、やめた方がいいのかもしれない。


もし、どうしてもB2Cがやりたいのなら、少なくとも、ビジネスモデルやシステムを構築する前に、「自社の製品」を作ってからではないだろうか。ターゲット不明で、”シュッフー”とか言う前にだ。

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