将棋ペンクラブ大賞の不思議感

2020-09-19 00:00:15 | しょうぎ
将棋ペンクラブの機関誌である『将棋ペン倶楽部2020年秋』号が届く。メインの記事は32回ペンクラブ大賞(昨年度発表作)の決定。すでに将棋ペンクラブのホームページで発表されているのだが、

観戦記部門:大賞  諏訪景子「77期名人戦第三局/佐藤天彦-豊島将之」(朝日新聞)
      優秀賞 椎名龍一「77期名人戦第三局/佐藤天彦-豊島将之」(毎日新聞)

文芸部門 :大賞  北野新太「木村の二十一秒 不撓の河を渉れ」(将棋世界)
      優秀賞 新井政彦「時空棋士」(マイナビ出版)

技術部門 :大賞  若島正「盤上のフロンティア」(河出書房新社)
      優秀賞 佐藤慎一「1手ずつ解説!将棋の筋がよくなる棋譜並べ上達法」(マイナビ出版)


まず、特記事項だが観戦記部門の大賞と優秀賞が同じ対局の観戦記。つまり朝日・毎日共催の結果だから。タイトル戦はたくさんあったのに、どうなのだろう。候補作には6作あったのだが。

技術部門大賞の「盤上のフロンティア(若島正著)」。私も少し解いて多くは並べてみたが、斬新的である一方でわずかに筆に自己満足感が含まれているように感じたが、それよりも将棋ペン倶楽部誌に通常は詰将棋関係は一文字も登場しないし、詰将棋の問題もないので、少し唐突感がある(1999年に「看寿賞作品集」、2011年に「月下推敲」が特別賞を受賞)。

特筆すべきは、今や絶頂の藤井聡太二冠関係がゼロである。一昨年は観戦記部門の大賞(藤井×増田)と文芸部門大賞に師匠の杉本八段の「弟子・藤井聡太の学び方」。昨年(2018年対象)は文系部門大賞に野沢亘伸著「師弟(表紙が藤井聡太氏)」と技術部門は杉本八段の「入玉の極意」だったのだが、今年度(2019年度対象)は、まったく脱藤井である。なんとなく棋界内では春風から秋風に変わりつつあるということなのだろうか。棋界に流れ込む新しいおカネは棋界関係者各位への配分が不均等なのだろう。


そして、重要なことに気が付いたのだ。

今回の受賞の大賞になった昨年の名人戦は豊島名人誕生となったが、一年後には失冠。文芸部門の「木村の二十一秒」の題材となった初タイトルの王位だが、一年後に失冠。

念のため、1年前の受賞作は、
観戦記部門大賞 「叡王戦決勝第一局(高見-金井)」、同優秀賞 「棋聖戦5番勝負第五局(羽生-豊島)」、文芸部門優秀賞 「最終局(王座戦:中村-斉藤)」

昨年受賞作の名人戦の勝者は豊島、王位戦の勝者は木村、一昨年の受賞作の叡王戦は高見、棋聖戦勝者が羽生、王座戦勝者は斉藤といずれもタイトルが移動しているのだが、その五人とも、翌年にはタイトルを失っている。

つまり・・・・・・・・・・・・・



さて、9月5日出題作の解答。




途中の▲4五角が中心なのだが、その角も移動する。飛車と金を見捨てて頭金の平行移動で詰ませる。最後の3手がもっと美しければいいので改作を検討すると思う。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版。


今週の問題。



軽薄問題で失礼、といったところかな。

手数のヒントは、上記の本日の記事の中の最終行に含まれています。


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見を頂ければ、正誤判定します。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (蛇塚の坂本)
2020-09-22 12:35:53
最終手〇〇〇の〇〇手詰み
ヒントは、解らなかったが、何とか解けた。
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Unknown (おおた葉一郎)
2020-09-22 12:38:13
坂本さま、
正解です。
ヒントのヒントは、中点です。
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