横浜の文化財展(横浜市歴史博物館)

2017-01-15 00:00:47 | 美術館・博物館・工芸品
横浜市には、江戸時代以前の歴史は少ない。現在の山下公園の近くは江戸時代のほぼ終わりまで砂浜で、一部に漁民が住んでいた。さらにその少し前は河口の浅瀬で、江戸時代に埋め立てが行われた。陸にしろ海にしろ、そこには歴史がない。

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ということで、苦しいところで文化財を探すと、まず、現在の港北ニュータウンのあたりの丘陵地は古代日本人が集落を作っていた。石器時代人、縄文人、弥生人。奈良時代の頃までは住宅地だった(後日詳細)。そして、鎌倉時代。横浜市の金沢区と鎌倉市は背中合わせになっていて、三浦半島の東京寄り(東京湾)が金沢で、向こう側(相模湾)が金沢。しかし、その間には三浦半島の背骨のような岩山があり、何か所かに切通しがある。

つまり文化は鎌倉にあり、文化がこぼれたところが横浜市の金沢だ。ところがその東京湾寄りの方に鎌倉執権の北条氏と関係が近い寺院があり、称名寺という。北条実時が建立ともいう。変わっているのは、この寺は真言宗なのだが、仏教各派の歴史を研究していた。それらの研究成果をまとめたものが金沢文庫というライブラリーになっていた。(もっとも、「この本貸しといてよ」といって持って行かれた本は多数で全国に散逸した。特に家康は返さない人だったらしい。

国宝の多くはその称名寺関係だ。本展には、そういう各派の教義本や、幕府への陳情書などが並んでいる。見ても残念ながら解読できない。

それと鶴見のあたりも総持寺関係の資料がある。さらにいうと明治時代以降。多くの近代文化遺産があるのだが、重要文化財に指定されているものがある。

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氷川丸。日本郵船の客船である。夏はビアパーティには最適だ。もちろん現在も海面に浮かんでいるので、展覧会場に並べるわけにはいかない。


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