アンリ・ミショー、ケーテ・コルヴィッツ(~8/12)

2007-07-01 00:00:38 | 美術館・博物館・工芸品
742ba5d3.jpg東京竹橋の近代美術館で常設展の付録で、アンリ・ミショー展が開かれている。私は、詩人としてのミショーのことは知っていて、20世紀のフランス文学の中で、かなり大きな位置を占める文学者であるとは思っていた。

そして、現代画家である。というか、キャンパスの上の詩なのかもしれない。イメージを文字をタイプすれば詩になり、キャンパスに描けば美術品になる。日本には、二兎を追うもの一兎をも得ず、という諺があるが、フランスにはないのだろうか・・たぶんないと思うが。

742ba5d3.jpgそれも、アマチュア臭い旦那芸ではなく、挑戦的かつ実験的な作品である。たとえば、「ムーブマン」1950年頃から書き始めた。本展でもムーヴマン関連は多数出品。




しかし、・・・

742ba5d3.jpgムーブマンと言えば、1980年台を代表する米国のポップアーティストであるキース・へリング(1958-1990)の十八番ではないだろうか。それによく見ると、結構似ている。

日本では銀河鉄道盗作事件というのがあって、メルヘン→漫画→歌詞と変化する中で、どの部分が盗作か?というのが議論になっているが、キース・ムーヴマンが登場した80年代はミショー(1899-1984)は既に80才台になっている。

気がつかなかったのだろうか、あるいは第二次大戦でフランスを助けた米国人の恩義を感じて、自由にマネさせたのか、あるいは単に訴訟準備中に怒り心頭でひっくり返ったのだろうか。


742ba5d3.jpgそして、合わせて追加料金不要で、ケーテ・コルヴィッツ展(版画)が開催中。ケーテ・コルヴィッツ(1867-1945)はドイツの女性版画家。代表作である「連作・農民戦争」が全点揃っている。まさに聞きしに勝る迫力である。封建時代のドイツ農民の苦闘と革命的蜂起を連作で表現。襲撃にそなえ、鎌や鍬を砥ぐ老女の表情はまさに鬼の面である。支配層との階級闘争と敗北の表現は、人間の感情の究極の悪魔的部分が表出している。

こういうのを見ると、二度の世界大戦を起こしたドイツ人の、本質的恐ろしさがわかってくるようである。イチオシである。


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