LUGINSKY(2020年 映画)

2022-12-27 10:09:51 | 映画・演劇・Video
PIAフィルムフェスティバルで発表された唯一無二のスタイルの(一応)映画。

60分の尺だが、動画ではなくコラージュされた静止画が切り替わっていき、三人のナレーションが付く。が、静止画と言っても富士山や東京タワーとか地下室というのではなく、近未来のどこかわからない場所で、登場する人間(フォト)は女性が一人と鹿の被り物の人間が一人。

この女性と同居する男(鹿?)が仕事中の些細なミスから失業する。未来のハローワークはデジタル化されていて、希望する仕事や求める賃金と耐えうるリスクのバランスで仕事を斡旋する。男が送り込まれたのはかなり致死率の高いギャンブルゲームのターゲット。

luginsky

反射板のある部屋に入り銃を発射すると弾丸が跳ね返り自分に当たることがある。それを何回か繰り返し、それを鑑賞する上級国民の賭けの対象物になる。

ある意味、ロシアンルーレットを大規模にしたような話だ(最近は、ロシアンミサイルと言った方がいいかもしれないが)。

要するに、社会が上級国民と下級国民に二分化されて、下級国民には享楽の楽しみもないということ(蟹工船?)。

見切る忍耐も必要と思うかもしれないが、見えない結末に引き込まれてしまう。

監督兼原作兼脚本兼音楽兼演出兼出演者(ナレーション)の一人が「haienaさん」。

2021年には香港、オランダ、カナダの映画祭に登場している。