点と線

2022-12-04 00:00:40 | スポーツ
ゴールライン上にボールが残っていたかどうかで論争になった試合で、1mm残っていたという画像が出回っている。実際には、連続的に見ないと既にボールに足が当たっているので、足が当たってから線の内側に入ったのか、あるいは、ボールが足に当たった瞬間で足はボールの位置には影響がないという見方もできる。問題を絞ると、白線の右側の縦の直線とボールの最も左側のの位置関係ということになる。



実は、この画像で気になったのは、その1mmではなく、ゴールラインの上の方を見ると、わずかに白線が歪んでいるように見えること。

普通、ゴールラインは直線と思われているが、人間による作業は不適正なこともある。

そうなると、ゴールラインは「直線でなければならないが、少しゆがむこともある」ということになる。そうなると、実際のゆがんでいるかもしれない白線が基準なのか、直線であるべき白線が基準なのかということになる。白線を引くのも一大事だ。

さらにいうと、サッカーコートは芝生であり、芝に白線を引くのは「白い粉」である。芝面に白い粉によって白線を引くわけで、芝が伸びたり足で踏まれて粉が飛び散ったりしたらどうなるのだろう。粉というのは一粒ずつの固形物であり、線ではなく点である。たくさんまとまっているから線のように見えるが、本来は粉がまとまっている部分とそうでない部分との臨界が線なのだが、ミクロの世界まで行けば直線のはずはない。ボールの表面の凹凸や歪みとかもキリがない。

バスケットなどのように線がはっきりしていたり、野球のホームベースのように五角形が置いてあれば極めて精度は上がるはずだが、サッカーやラグビーのゴールラインがはめ込み式の白い板だったら危ないかもしれない。

ところで、そもそも点とか線とかというのは数学的には面積を持たない概念なので、現実世界に持ち込むのは危険なわけだ。さらに突き詰めると、アナログな位置という情報をデジタル化して計るという方法の是非ということになる。何か世界の事象がすべてデジタル化していくと、世界がデジタルでできているように感じるのだが、実際の宇宙空間はアナログでできているわけだ。