めまい(1958年 映画)

2022-12-19 00:00:29 | 映画・演劇・Video
ヒッチコック映画を最近よく観ている。本作は、なかでも評判が良く、ラストシーンで修道女が塔の上で鐘を鳴らすシーンが有名だ。

ヒッチコックの映画の特徴といえば、サスペンス、ミステリー、サイコ、オカルト、アドヴェンチャーなどの要素が適度な比率で盛り込まれていて後世の映画に大きな影響を与えている。本作も多くの要素が含まれているが、特にミステリーの要素はほぼ完ぺきで、冒頭から続く意味不明な謎のバラマキが、最後にすべて回収される。

猿より頭の悪い私のような観客でも「ああそうだったのか」と安心して映画館を後にできることになっている。

超短いあらすじを書くと、主人公は元刑事(ジェームズ・ステュアート)。ある事件で高所恐怖症になり警察を辞めるが、古い友達から突然の呼び出しがあり、友達の妻(キム・ノヴァク)の尾行調査を頼まれる。友達の妻は曾祖母の祟りに怯えて神経衰弱の様相があり、尾行中にカリフォルニア湾に飛び込み、元刑事が救助し、この後二人は恋愛関係に陥る。その後、彼女は修道院の高い塔に上り、塔の上から飛び降りる。こうして、古い友達は妻が亡くなりヨーロッパの方に渡っていくわけだ。

この後、ストーリーは二転三転して、フィナーレの鐘が修道院から聞こえてくるわけだ。

映画が終わった後の疑問点としては、「なぜ友人は美人妻を殺したのか」。「一度は愛した殺人共謀者の女性の正体を知ったら元刑事が掌を返したように追い詰め始めるのは薄情すぎるのではないか」といったところだ。

キム・ノヴァクだが、もともとは別の女優が演じることになっていたそうだが事情があって代役で出演したそうだが、当時でも大女優だった。ヒッチコック監督とは色々意見が合わなかったらしいが、一人二役という難しい演技をこなしている。現在89歳ということで仕事からは長く離れているようだ。

若い時に、お金を稼いで、その後に早期リタイアをする人は米国人に多いが、それができるのは米国国債の利回りが高いからだそうだ。