ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(映画 2011年)

2017-04-18 00:00:33 | 映画・演劇・Video
2011年に起きた9.11同時多発テロをテーマとし、亡くなった父親の残した影を追う少年とその母を中心としたドラマ風の映画。

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父親はトム・ハンクスが演じるが、思い出シーンと崩壊しつつあった貿易センタービルから携帯に残した声で登場。少年はアスペルガー症候群という精神障害の一形態を持つのだが、高い知識と乏しい社会性という特徴は、病気ともいえるし特異才能とも言えるわけだ。

父親と共同で探していたNYの現存しない第6区の痕跡探しを中断し、父親の残した謎の鍵とその鍵の入っていた封筒に書かれていたブラック(Black)という単語を頼りに、ニューヨーク中のブラックさん探しを始める(米国映画にはよくあるパターンだが)。彼が探し始めてから途中で加わった同伴者は実は父親の父親(つまりオジイチャン)なのだが、彼も子供の時にドイツのドレスデンで米英軍の大空襲を受け防空壕の中で両親を失ったショックでしゃべることができない。(時節柄、空襲とか防空壕とか縁起でもないが、掘り方が悪かったのかもしれない)

ブラックさん探しは、少年に「ほとんどの人は心に傷や痛みを持っていて、少年の行為に共感してもらえる」という現在の米国社会の混沌を教えることになる。

そして、鍵の本当の持ち主であるブラック氏に出会った時、その鍵の意味のあまりの軽さが少年を苦しめることになる。

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その後、映画上で大活躍するのが母を演じるサンドラ・ブロック。どうも目立たないと思っていたら、やはり出る幕があった。映画女優の中で最も高収入ということだそうだ。2年に1本のペースで出演し、1年の終わりに表彰式に出演しその後、所得税を払う。「スピード」で基本イメージができた関係でシリアスでもコメディでもどちらでもできるのがいいのかもしれない。

少年役のトーマス・ホーン君はその後、映画に出演していないようだ。といっても今年(2017年)20歳。ギャラを使い切る前に出演を考えた方がいいのではないだろうか。