長考力(佐藤康光著)

2017-04-15 00:00:51 | しょうぎ
2015年の11月に上梓されたエッセイで、将棋ペンクラブでも受賞していたので、読もうと思っているうちに書店からも消えてしまったので、将棋連盟会長になられたのを機に図書館で予約して読んでみた。

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幻冬社新書ということで、なにか奇抜な内容を期待したが、実際には将棋以外のことは何も書かれていないというかなり真面目な本だった。

あえて面白い感想というのは、読みの波長が合う棋士と合わない棋士ということで、合わない棋士ばかり列挙されていて、深浦、三浦、谷川、羽生、森内、渡辺となっていて、では波長の合う棋士がいるのかというと、かろうじて郷田棋士とは合うところがある、と書かれている。

もっとも、郷田氏からは、秒読みの時に、「58、59、・・と切れているのではないか」と抗議されたことがあるとも書いてあるのだから果たしてどうなのだろう。

コンピューターの話は、きわめて短く論評されていて、「人間にしか指せない将棋でファンを惹きつけることは可能」と書いている一方、「人間にしかできない将棋は何か、の答えは持ち合わせていない」そうだ。

「人間には指せない手」を見たいという気持ちもファンは持っているかもしれないので、問題は複雑なのだろう。

長考については、そもそも持ち時間は全部使うべきという考え方の方のようなので、最近の連盟の幹部のように「ノータイムの悪手」は減るかもしれないが、いつまで経っても次の一手を指さないというようなことも困るわけだ。他の棋士と思考の波長が合わないというのは気になる点かもしれない。


さて、4月8日出題作の解答。

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今週の問題。

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よくある手筋で包囲網を狭めるが、最後は警視総監がダイビングする。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と総手数とご意見をお書きいただければ、正誤判定します。