将棋紳士録第10版掲載詰将棋について(1)

2016-09-17 00:00:30 | しょうぎ
将棋紳士録事件というのは将棋界の黒歴史の中でも上位にあるらしい。手元にある紳士録は1974年版で、第10版とある。ということはその10年ほど前から存在した紳士録が、ある時大変な問題を起こし、編集者の斉藤銀次郎八段が将棋界から追い出された事件だ。

実際、どういう事件だったかは知らないのだが、当時から将棋の段には3種類あって、実力で取る段(確か県名人が四段だったか)と、棋士との関係でなんらかの謝礼的金額で希望の段がもらえる方法もあり、さらに政界や経済界の大物には、連盟から段を進呈する例があったはず。

それらを一緒にして紳士録という、今ではありえない個人情報だけの本をまとめて発行していた。実力があり正規料金を払ったアマチュアが見ると、うんざりということになる。

それが問題なのか、こっそり隠している政財界有力者が自分の名前が公表されたことを怒ったのかもしれない。あるいは、連盟の内部資料を何らかの方法で入手して紳士録を売りさばいて所得にしたのかもしれないが、それでは10回も版を重ねられないだろう。

まあ、問題だらけの話なので、何が良くて何が悪いのかも現在の常識では理解しづらい。

そして、その本に12題の詰将棋があって、それが詰将棋的には大問題ということはわかっていたのだが、ちょっと手をかけてみた。今回は半分の6題。同一作検索も使ってみた。本来は著作権が発生するのかもしれない(没後50年)が、一つはこれは本ではなく名簿であると思われることと、なかなか自作とはいいがたいからだ。

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A-1 :なかなかの好形。と思ったら、二代大橋宗古作。
A-2 :無仕掛だが、どう考えても詰まない。1一の飛車を逆向きにすると、宗古作だ。
A-3 :1950年に土居市太郎作。その後、大山氏が3回使いまわす。
A-4 :無駄駒が多い。このままじゃ変同。
A-5 :感じが良いが、簡単。
A-6 :一目でわかる。初手は移動王手にして、3四も飛ではなく龍かなあ。

ということで、今回はたいした問題はないが、次回(次の6題)は問題が多い。

ということで、今回はたいした問題はないが、次回(次の6題)は問題が多い。


さて、9月3日の出題作の解答。

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動く将棋盤はこちら


今週の問題。

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いつもと違って、実戦例から。後手が9九龍と回ったところ。受けづらく詰めに行こうかという段階だ。

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実戦図から無駄駒を取り除くと、驚くことに、自陣と敵陣の二分割という珍型になった。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ正誤判断。