ルーマーズ(噂)(演劇)

2016-09-13 00:00:39 | 映画・演劇・Video
ニール・サイモン作の名作「ルーマーズ」を演劇レウニォン「トップ・ガールズと仲間たち」が演じる。先週末に麻布区民ホールでの初演を観る。出演の俳優、女優陣は現役のプロで、それぞれ別個に活動中に半年に一本という形で集まるということなのだろう。

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で、舞台はニューヨークで、セレブ達のパーティで順に集まった夫妻が、会場の二階で起きた凶行を次に登場する夫婦に秘密にしようと、次々に作り話をするのだが、いかにも矛盾だらけで、やがて真実と思われることを話してしまう。そして、さらに次の夫婦に秘密にしようとして、矛盾が露呈して・・

ということで、全員が秘密関係者になるのだが、そこに警官が別件(交通事故の処理)で登場して、新展開に進む。

いわば心理ゲームのような形で、嘘が嘘を呼びということだが、段々と複雑になっていき、よく考えないと筋についていけなくなる。

米国では大爆笑喜劇だそうだが、閉幕後の挨拶で、「笑いが少ない」と表現されたが、それは日米のメンタリティの差とか文化の違いみたいなもので、『睡眠薬を飲んでウトウトしてしまい、使用人を犯罪者と思ってピストルを撃ったが自分の耳に当たった』とか『追い打ちにもう一発撃った』とか、そんな場面じゃ笑えない感じだ。

自殺が起きた(と思われた)家に、たまたま遅れてきた夫妻が、警察から疑われるのではないかとビクビクするというのが、喜劇なのかどうかも判然としない。

関係者の一人が上院議員候補というのだが、国会議員じゃなくて州ごとに上院と下院があるというのは知らなかったのだが、東京都に議会が二つもあったらドンが二人もいることになると思えば、米国政治というのも病が深いのだろうかと考えると、さらに笑えない。

最後に、観客の誰もが不思議に感じ続けていたことが、一挙に解決することによってミステリーは完結する。と言いたいのだが、原作はミステリーではないのだ。といっても、余韻を残さず、ぴったり終わるという感覚もまたいいものではないだろうか。