海を航る-船・鉄道・新幹線-

2016-09-18 00:00:28 | 美術館・博物館・工芸品
北海道新幹線開業記念展として、汐留の旧新橋停車場(鉄道資料館)で開催中(~11月6日)の『海を航る』を見に行く。

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まず、船。青函連絡船であるが、1908年から80年間稼働した。その前に青森市だが、基本的に青森は東部の南部と西部の津軽で仲が悪い。敵といった感じだ(といっても、それは国内での話で、江戸時代に国後島をベースとして国土防衛にあたっていたのは南部と津軽の混合チームで、択捉島に時々上陸していたロシア人と戦う時には、一致協力してあたっていた)。

明治政府はそれでは困るし、北海道開発が大テーマだったこともあり本州側の基点として、八戸(南部)と弘前(津軽)の中間点として、海の商都として青森を都会化した。青森は必ずしも函館に行くのに近いわけではない。

といっても北国の港には近くに避難港が必要で、それらを総合して青森になったのだろう。そして連絡船の特徴として、貨車ごと船に乗せて運んだわけだ。おそらく、乗客だけなら、貨車ごと運ばなくても人間が歩けばいいのだが、貨物や郵便があったので列車ごと運ぼうとなったのだろう。

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そして、40年の歳月をかけて青函トンネルが開通したのが1988年。途中何度か「中止」の危機にさらされるが、なんとか完成。一度通ったことがあるが、夕暮れの津軽半島は真っ黒になり、いつトンネルに入ったのかいつトンネルから出たのかわからないうちに北海道になり、函館の呑み屋にたどり着く。

そして、28年経ち、北海道新幹線が完成。これで鹿児島から函館までつながる。奇妙なのは、函館から札幌までのルート。人口の多い、登別、室蘭、苫小牧、千歳といったところにはいかず、いきなり長万部からオホーツク方面に向かい、小樽を経て札幌に到着。要するに人のいないところを走るという画期的発想だ。