二歩を繰り返した棋士

2016-09-10 00:00:32 | しょうぎ
将棋日本シリーズはタバコ屋さんの主催で全国の肩身の狭い愛煙家のために、公開対局で行われる。一度見たことはあるが、解説者が最も苦労するところで、対局者に声が聞こえないようにしなければならない。

その解説者が、最も困ってしまうのが対局者による二歩の反則だろうか。絶句していいものかどうか。さりげなく、これと、あれが、何ですよね、とか身振りで示すのだろうか。

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佐藤天彦名人と郷田王将の一戦で、必勝の局面で▲6三歩と郷田王将が絶妙手を放ったところで反則負け。手前の6八に歩が打ってあった。よく二歩には好手が多いと言われる。有利な局面で、より有利にしようとがめつくなり、人間は誤る。

ところが、郷田王将は、過去にも二歩を打っている。それも同じ日本シリーズの二回戦。2007年9月である。相手は佐藤違いで佐藤康光九段。これもいかにも絶妙手という▲9六歩が二歩だが、これはすぐ前の9三に歩がいる、というか邪魔駒そのもの。なんとも不思議な9六歩だ。

周期的には9年ごとにやっているので、次回は2025年9月。佐藤某という棋士に対して▲3九歩という手で負けるのだろう(二歩は3の倍数の場所に打たれている)。年齢的には、そろそろ引退の二文字が浮かぶ頃かもしれない。


さて、8月27日出題作の解答。

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0910kk


ただ、マラソンコースのように追いかけるのだが罠は5手目。玉にくっつけて▲2二飛打と指すと△3一玉で失敗する。あとは追いかけるだけ。玉型の4六香を歩に代え、2九歩を減らすと、龍追いがさらに続き29手詰になるが、カンボジアのマラソンランナーのようになってしまう。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題は、大駒ブンブンである。

0910m


わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。