候補者A

2009-07-28 00:00:53 | 市民A
朝、自宅近くの小さな駅で、自民党からの立候補予定者がチラシを配っていた。32歳。2005年の選挙では、南関東ブロックの比例順位34番に名前が書かれていたのが、幸運にも当選。35番が杉村大蔵氏である。36番も当選。いわゆる「チルドレン」である。

しかし、なぜか麻生派に入ったために、この地区の麻生派の議員の引退で、運よく小選挙区の正規候補者に昇格する。まあ、そのための麻生派なのだろう。開成中学から東大、そして大蔵省というエリートコースである。自宅は目黒区から選挙区の港北区に引っ越したようだ。

自分の政策をパンフレットにして配っている。読むと、「日本の構造の抜本的改革」「小さな政府」「規制緩和」「国際競争力」「中小企業支援」「弱者救済」というような内容である。つまり、小泉=竹中路線の第三段階移行(小さな政府→競争力アップ→税源確保)といったコースである。

一方、予定されている民主党側からの候補者は60歳の政治学の教授。というか元々教授が代議士になって「元教授」だったものが、前回選挙で落選し、大学に戻って教授になっている。この方は、菅グループに所属し、民主党内でも1、2を争う「超左翼」である。北朝鮮制裁には反対し、アフガンに行ってタリバンと会談したこともある。ブログが炎上したこともあるそうだ。

つまり、「チルドレン×左翼」というかなりの極端選挙区になりそうなのである。

となると、問題は、両党のマニフェストと両候補の主張ということになる。

自民党のマニフェストは、まだ公表されていないが民主党の方は7月27日夕方、公表されたので、少し時間をかけて読んでみた。なにしろ、政策が大きく変わると、所属している企業グループの損得に影響しそうだし、さらに、個人としてもどちらに投票すべきかよくわからない。

結論から言うと、この地区の自民党候補の政策はほぼ民主党のマニフェストに近い、ということがいえるわけだ。マニフェストの前段部分のバラマキ部分は唐突な感じがあるが、後半部分の「日本の構造」のところは、民主党案は「構造改革派」の主張に近いところが多いと感じる。

特に違和感があったのは、日米関係の中で、米国との間でFTAを結ぶというところ。かなりの驚きである。まず、FTAは条約なのだから相手国の合意が必要で、米国にその気があるかどうかであるが、工業製品は相互に無関税に近いので、問題は農業分野であるが、日本からアメリカに輸出する農作物は稀なのだから、コメや牛肉の輸入自由化ということを意味する。だからこそ、農家に個別補償金を払おうという発想なのかもしれないが、補助金は問題解決を遅らせるだけということもできる。

よく読むと最低賃金も1000円は将来の目標値であって、当面は800円というのだから大した話じゃない。職業訓練補助10万円は失業保険が切れた人が対象になるが、失業保険の条件として並行的に職業訓練を強制した方がいいかもしれない。

北朝鮮問題では、「核を持たせない」という一般論だけが書かれているが、経済制裁に賛成なのか反対なのかもよくわからない。(後半は具体性のない話が多い)

目玉の高速無料化は、眼先過ぎると思うわけで、それでは採算性という概念がなくなり、将来の高速建設の指針がなくなる・・

こども手当は賛成だが、一方で財源である。天下りを禁止したり無駄を省くというが、本質的には大賛成だが、単に余った役人を失業者にするだけではデフレ社会に突入するのが関の山だ。首になった役人が職業訓練を受けても、あの傲慢な態度では民間企業には無理である。

経済政策では、公取の規制強化が書かれている。100万社起業政策というのもあるが、無理だろう。大企業への支援は書かれていないが、簡単には方針転換できない不調の大企業対策にはあまり触れられていない。

というようなことで、後は自民党のマニフェストである。

やはり、不明な点は、それぞれの立候補者にメールで聞くしかないだろう。