一度に七つの国際展示会を見た理由

2009-07-12 18:19:55 | マーケティング
expo1有明にある東京ビッグサイトで開かれていた(7月8~10日)いくつかの展示会から招待状が届いていた。いずれもフリーで行くと入場料は3000円である。さらに「ゆりかもめ」に乗ると往復740円が必要である。しかし、招待状があれば、無料。どうせ行くなら、一つの展示会ではなく三つの展示会に顔を出したいと思うのは、当然だろう。

「第1回販促EXPO」と「第4回国際雑貨EXPO」と「第20回国際文具・紙製品展ISOT」の3会場に、入ることにする。そして、ビックサイトの西館へ行くと、広大な会場に手前から奥まで展示会の数だけ受付箇所がある。とりあえず、「国際雑貨EXPO」の受付にいって、招待状と名刺を渡す。名刺を入れるネームプレートが業種別に分かれていて、「百貨店」とか「メーカー」とかよくわからないカテゴリーになっている。受付の女性が、私の名刺の業種がわからなかったのか、「官公庁」という分類のネームプレートをいただくことになる。雑貨品を調べる麻薬取締官みたいだ。

ところが、「雑貨」というのは字の通り「分類不能な商品」ということ。小分類がないわけだ。入り口には、ウイルス用のマスクがあったり、手芸品があったり、おもちゃみたいなのもあれば、携帯電話の充電機があったり、ここに、どうやって書けばいいのかよくわからない。

expo2しかし、なんとなく「雑貨」という枠から大きく逸脱しているものもあって、「???」という感じもあったわけだ。例えば、新型のベビーカーとか、動く動物の人形とか。本当は、撮影禁止なのだが、この恐竜のおもちゃの前では、みんな撮影していた。そして、なんとか会場を一巡してから、次の展示場に向かう。

しかし、次の会場の入り口には、さっきの雑貨EXPOのネームプレートがあれば、そのまま入れる、と書かれている。「官公庁」のままだ。そして、会場の中を歩いていると、何か見覚えのある展示コーナーが多い。そのうち、恐竜のおもちゃの前に出る。このあたりで、この会場全体の秘密に気付くのである。

入り口が違っても、中は全部つながっている。

雑貨コーナーが広すぎたわけだ。


ということで、最初の受付でもらった「官公庁」をぶらさげたままで、予定していた三種の展示会以外の「第7回国際オフィス機器展」、「第一回国際オフィス家具展」、「第4回国際オフィスセキュリティEXPO」、「第1回国際ベビー&キッズワールド」の計七つの会場を歩くことになる。


ところで、言ってはなんだが、「雑貨」とか「新商品のアイディア」ということでは、圧倒的に異彩を放っているのは「香港勢」である。色も鮮やかだし、遊び心もある。例えばパソコン周りの小物なんか楽しそうである。



大勢の人が、店頭の見本を触って欲しがっていたのが、あるゴルフ用品。ジャックナイフのように、グリーン補修用のフォークが飛び出してくる。グリーンをある程度の技術で高いボールで攻めると、落下したショックでグリーンにボールの跡ができる。それを修復する小物である。下手な人は使う機会がない。柄の部分には磁石式のボールマーカーが付いていて、それらに、会社のマークとか入れるのだろう。香港のメーカーへの注文用のカタログをもらってきたが、たぶん最低単位は500個くらいだろうか。ホールインワンの記念品に注文しようかと、根拠のない想像をしてみる。


20年度の文具大賞の製品が10アイテムほど展示されていたが、ピンとこないものが多かった。わかりやすいのが、40枚まとめて止められるホチキス「MAX」。確かに軽やかに、ぶあつい紙が束ねられる。もっとも、そんな厚い資料を作るのは、役人の作る各種『中間報告書』くらいだ。どうも日本人が作ると、過剰品質であり、機能本位という言葉に甘えて、ぶかっこうなデザインになり、売れずに自滅したりする。



思えば、文具メーカーといってもほとんどが中小企業である。製品開発をする技術系社員だって、数名から十名くらいということが多いのではないだろうか。小規模企業というのは、一人何役で機能からデザインからマーケティングまでトータルバランスで考えられる人材が必要なのだろうが、そういう人間は、めったにいないし、回りから妬まれて腐ったりする。

個人的なお勧めは、プラスティック製のペーパークリップである。よくあるクリップは鉄製で、とめるのに特殊な道具が要る。それに対して、このクリップは、指でとめたりはさんだり自由である。簡単に何回でも使いまわしできる。

大流行の予感あり、だ。



香港の人から、今後の展示会の予定表をもらったのだが、今後、来年1月までに、寧波(中国)、香港、ロンドンに巡回するそうだ。うっかり名刺を渡してしまったため、いずれ各会場の無料招待状が届くはずである。