スーパーパナソニック(2)

2009-07-16 00:00:24 | マーケティング
A電器店の店主の氏名が記されていたのだが、「○○○○」というありふれた氏名に見覚えがあったわけだ。

中学校の同級生に、同姓同名の人物がいたことを思い出す。理科が得意だったというような記憶はないが、もともと町の電気屋さんに必要な理科の範囲は限定的だろう。むしろ屋根の上にアンテナを立てる度胸と体力の方が重要だろう。

さらに、その同姓同名氏が気がかりな理由がある。

中学のときに、廊下で決闘して、ボコボコにしたことがあるからだ。

仮に同一人物として、そ知らぬ顔で工事をしてもらって、あとで食洗機に皿を入れると、突然100万ボルトの高圧電流が流れて、・・とか嫌である。

もちろん、いくら考えても謎が解けるわけはないので、とりあえず電話で様子をうかがうことにする。

ところが、長い連休中に何度も電話をかけても一向に相手が出る気配はない。本店にかけても同じだ。壊れた機械をいつまでも放置はできないので、近くの店舗に歩いていくが、シャッターに貼り紙である。「連休中は休業」と書かれている。どうせ、スーパーパナソニック特約店旅行会でハワイに行っているのだろうか。

結局、A電器店にコンタクトできたのは、連休の後である。声から判断すると、社長は自分よりも年配の感じであり、以前の犠牲者とは別人のようである。工事物なので、事前に下見をしてもらうことになる。

まず、60歳くらいの感じである。地元で長くナショナルショップを展開していて、一時は9点まで支店を拡大したそうだが、今は撤退に継ぐ撤退で3店に減ったそうである。

さらに、連休中は旅行会だったようである。

ところが、現在、突然のように超多忙になったそうだ。まず、デジタル放送用のアンテナである。既存のアンテナでは地上デジタルは見えない。さらに高齢化社会に向かっているので、調理器をガスからIHに転換する家庭が多いそうである。さらに食洗機。

エコ対応のエアコン取り付けや冷蔵庫も家電量販店が売りまくっていても、工事業者が不足していて、下請け仕事も回ってくるそうだ。

さらに、軽作業ではあるが、法制化された室内の火災報知機。今後は電気自動車対応の200ボルト化の工事など予測されるそうである。「パナソニック大儲けの図」である。冬の時代のあと、春を飛ばして赤道直下の常夏状態である。さらに政権交代になれば、いずれ「松下政経塾」出身者が要職に就いて、有利な政策が次々に登場することが、予想されるわけだ。


そして、○○社長は、壊れている食洗機を5秒ほど目視して、「45センチ」ですね、といってカタログを調べようとするのだが、驚くことに、最新のカタログを持っていないわけだ。忙しすぎるのだろうか。あるいは新製品の回転が速すぎるのだろうか。しかたなく、私がショウルームからもらってきた最新カタログを渡すことになる。本末転倒。


しかし、ここから先が、実に2ヶ月かかったのである。

(続く)