倉敷のセルフうどん店に『ぶっ掛けうどん』がなかったわけ

2009-07-10 00:00:04 | あじ
『うどん』と言えば「讃岐(香川県)」と相場が決まったようなものだが、『ぶっかけうどん』というカテゴリーがある。

ぶっかけ、とは、茹でた麺をいったん冷水でしめて、ひやしぶっかけなら、そのまま、暑いぶっかけなら、もう一度湯に通して、刻みねぎや削り鰹、揚げ玉、生卵などをのせ、生醤油をかけるのが基本である。

本場は倉敷で、「ふるいち」といううどん店の店主が編み出した、と言われている。倉敷名物として有名であり、どこの家庭でも、よく食べる、と言われているようだ。


たまたま、倉敷方面に行くことがあったので、新倉敷駅の裏にある、あるセルフうどん店に行くことにした。麺を自分で茹でて、トッピングを選んで、キャッシュ精算したあと、自分でめんつゆをかける仕組みである。最近、東京に多い「はなまる」では、精算する前にめんつゆがかけられていたように思うが、実質的には大差ない。なにしろ倉敷市なのだから、『ぶっかけうどん』もあると、思い込んでいた。

新幹線を降りると、小雨まじりだし、さらに蒸し暑い。瀬戸内の梅雨、瀬戸内の夏。

新幹線といっても、ローカル駅は、階段方式だ。駅と隣接しているわけじゃないので、傘を広げる。いったんネクタイを緩めるが、スーツは暑い。

これは、「冷やしぶっかけ」しかない。

やっとの思いで、店にたどり着き、暖簾をくぐると、あまり冷房が効いていない。クールビズ対応だ。さっそく、テーブルを確保し、スーツの上着を脱ぎ、ネクタイをはずし、腕まくり。

そして、注文の列に並び、メニューを見ると、・・・

ない!

『ぶっかけうどん』がないわけだ。

udon結局、熱いうどんの他に、列にならんでレジに進む途中で、「みえ」で「小海老かき揚げ」と「ちくわ揚げ」を注文。650円である。

『ぶっかけ』だけなら450円くらいだろうから、200円の売上げ増である。粗利率70%として、140円の増収。

味は予想通りかな

食べていると、汗が額からボロボロとこぼれる。もう、どうみてもビールが飲みたくなる。周りのテーブルを見回すと、あっちでもこっちでも生ビールを飲んでいる。熱いうどんなら、ビールの売上げも増える。自己完結型の『ぶっかけうどん』では、付加価値が伸びないのだろう。


仕事前なので、生ビールは我慢したのだが、結局、当日は、仕事が終わってから宴会になったのだから、先に飲んでいても同じだったのではないかと、後で、ちょっと思う。