将棋ペンクラブ大賞

2009-07-25 00:00:33 | しょうぎ
第21回将棋ペンクラブ大賞が決まる。

観戦記部門の大賞には、後藤元気氏(ごとげん氏)

先日、某パーティで詰将棋の解説会の時に、少し言葉を交わさせてもらったのだが、その時は、非常に柔らかな話し方をされる方だと思った。悪く言うと優柔不断ということになるのだが、現代のように世界の価値観が10年刻みで変わるような時代には、「柔軟性」というのが、あらゆる人間に求められているのだろう。

実は、彼の師匠とはかなり以前から親しくしていて、彼が、奨励会で苦闘を続けているときに、何度も「後藤君がなかなか上がれなくて、・・」とおおいに気遣っていたようだった。

調べなおすと、彼が入会したのが平成5年15歳。同門では同期に松尾七段。一年前が宮田五段、翌年が渡辺竜王である。この平成5年入会というのは、多くがプロになった年で、30名中、9名が男子プロになり3名が女子プロになっている。碓井・矢内の両強豪もこの年の入会で、後に職場結婚した千葉プロも同期であるようだ。奨励会の時に勝星の借りでもあったのだろうか(冗)。

四段になれないことが、かなり濃厚になってきた頃、あまりに師匠が悩んでいたようなので、次の針路のこととか勝手に内々に探してみたのだが、そういうのは、色々と難しいわけだ。

かといって、縁故なしでは、学歴中卒ということにしかならないので、これも大変である。若い人で奨励会有段で退会した人たちを何人か知っているが、いまだに瀬川路線を目指している人たちには、非常に大変なことになっているような気がする。


さて、ごとげん氏が受賞したのは、棋王戦本戦の深浦×行方戦。残念ながら、その記事を読んでいないので、本人の要約を読むことにする。

彼の評が的確なのは、プロによる複雑怪奇な解説を、一般的な言葉と常識的な分量にサマリーする能力だと思うのだが、最近は、よくタイトル戦のネット中継などで、同時進行的にショートコメントを入れているようだ。


しかし、辞めた弟子にメシを食わせたいのは、師匠の基本的願望であるわけで、最近でも色々と事件があったようだが、なんとかなっているようである。

同じく将棋ペンクラブ大賞の話題賞に渡辺めぐみ氏の「妻の一言」が選ばれたこともそうだが、竜王位を死守し続ける一門のエンジンが健在だからこそ、勢力拡大方向に向かっているのだろうか。

そういえば、きょう7月25日は、竜王とごとげん氏の共同作業でやっと完成した大著「永世竜王への軌跡」の発売日ということであるので、是非、書店で探してもらうといいかもしれない(もし配本されていればだが)。

しかし、先日の一門のパーティのときの来賓で、タイトル戦連続出場中の木村八段の談によれば、「この一門に痛い目にあっている人たちは多いので、いつか仕返しをしたいと思っている人たちには、十分に注意をした方がいい。」ということらしいのである。


A1さて、7月11日出題作の解答。

▲2五金 △同桂 ▲2三馬 △同玉 ▲5三飛 △1四玉 ▲3四飛成 △2四角(途中図1) ▲同竜 △同銀上 ▲2三角 △1三玉 ▲1四香 △2二玉 ▲1二香成 △同金 ▲3二角成 △1一玉 ▲5一飛成まで19手詰

構造的には、逃げ道封鎖→二枚飛車攻撃→逆王手で対抗→コーナーに追い詰めるという流れである。途中の△2四角▲同竜を△同銀引では▲1六香△1五銀▲2三角△2四玉▲3三飛成までである。

a2ところで、解答陣の中から、「中合問題ではないのか」という声もあったように、ほとんど同型の問題(改作図)がある。攻め方の6一とを受け方の6一金に変えたのだが、こちらの方が難解である。

しかし、厳密には17手目と19手目の手順前後が成り立つという小キズがある。もし、余裕があれば、プリーズ・チャレンジ!




a01そして、今週の問題は、軽い作品。目新しい筋はないので、さっとやっつけてくだされ。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を入れていただければ、正誤判断。