上海倒壊ビル

2009-07-09 00:00:04 | 市民A
tokai6月27日早朝に上海で起きた建設中のマンション倒壊現場の写真である。

13階建てで、写真を見る限り、躯体は完成していたように見える。ビルの下敷きになった作業員1名が亡くなったそうだが、その一名を救出(あるいは遺体を収容)しようとした痕跡は見えない。

せめてもの救いは、入居前だったということだろうか。

事故調査委員会は一週間後(7月4日)までに原因を特定し発表するとしていたが、誰も報道してくれないので、よくわからずじまいである。結論を急ぐ理由は、いうまでもなく隣のマンションに住んでいる住民から、「このマンションも倒れるのではないだろうか」という抗議があるからだろう。となると、逆に原因が公表されるのか心配である。

まず、13階の構造物が横倒しになったにもかかわらず、躯体部分はほとんど壊れていない。逆に、頑丈すぎて重過ぎるのかもしれない。壊れなかったというのは、地面が柔らかということを意味するなら、柔らかい地面にビルを建てたということになる。

地面と1階の間には吹きぬけの空間があり開放感をイメージしたのだろうが、そうなると14階建ての建物の1階が存在しないことになる。ビル全体の重心が真ん中(7階)ではなく、8階になってしまったのかもしれない。上半身の筋肉トレーニングばかりして、こけやすくなった外国人力士とかボディバランスが崩れた日本人MLB投手のような不安定感がある。

さらに、このビルには「根」が存在しない。二つの台の上に薄型テレビのような形状の建物が乗っているだけである。接点のところの形状をよく見ると、免震構造風に見えなくもないが、逆に揺れを増幅した可能性もある。

tokai2しかし、別角度の写真を見ると、きわどく隣のビルとのドミノ倒しを免れているが、逆に言えば、倒れてもドミノ倒しだけにはならないように設計したのかもしれない。

しかし、中国的と思ったのは、この事故の直後に、当局は建設会社の銀行口座を封鎖したそうである。完成することのなくなった工事に従事した労働者への給料は、事故後1週間を待たずして、この銀行口座から全額払われたそうである。

そういえば、日本でも強度偽装マンションがあったのだが、上海の横倒しマンションは、今後、どうなるのだろう。クレーンで起こしてそのまま使えそうだが、それよりも、そのまま豪華平屋建てマンションに改造すればいいのではないかと、提案しておく。玄関のドアが空を向いていて、使いにくいかもしれないが。