ついに始まるか、コメ騒動

2008-04-28 00:00:13 | マーケティング
4月1日から小麦価格上昇に伴い、パンやスパゲティ、うどん類の値上げが続いた際、もののわからないやや小太りの女性評論家が、「小麦が値上がりするなら米を食べればいいじゃないですか」と言っていたので、「わけわからないこと言うなあ」と、思っていた。「貧乏人は麦を食え」は有名な池田隼人総理のコトバで、辞任するほど叩かれなかったのは、かたや「所得倍増計画」を打ち出していたからで、実際に、所得が倍になれば、貧乏人が「麦飯(大麦入り米飯)」を食うことはないからだ。そして、実際、所得は倍増したのだから、「麦を食え」は「失言」ではなく「名言」のカテゴリーの方に入った。

現下のスタグフレーションに対して、現下の総理は、「なんとか工夫して耐えてほしい」と言っているようだが、まったく破滅的だ。民主党内では、小沢代表のことを陰口で、『暗い小泉』と呼ぶそうだが、現総理は『暗い小沢』とか『もっと暗い小泉』とか呼ばれることになりかねない。所得は上がらず、物価は上がり、税金も上がる。税金が上がるのは数十年前からの政策のつけなので、現下の総理が全責任を負うのはかわいそうだが、物価上昇に対して、あまりに絶望的なコトバを口にすると、いささか、あぶないことが起きるかもしれない。

世界的な穀物相場の上昇の影響が、コーン、大豆、小麦にとどまらず、コメに及んできたようだ。CNNジャパンから。

「コメは1人4袋まで」コストコなど2社が販売制限(AP)

米会員制量販チェーン大手2社のコストコとサムズクラブが、米の販売制限を実施している。サムズクラブは4月23日、「最近の需給動向」を受けた措置だと説明した。

一方、サムズクラブの親会社であるウォルマートは、米の販売を制限する計画はないとしている。

世界的な食糧インフレで米先物が史上最高値を更新する中、まずコストコが一部店舗で米のまとめ買い制限に乗り出し、これにサムズクラブが続いた。

サムズクラブの販売制限は輸入もののジャスミン米、バスマティ米、長粒白米が対象で、20ポンド(約9キロ)入りの袋は1人4袋までしか購入できなくなった。それより小さいサイズの袋には販売制限はかけていない。

USAライス連合会広報は、米国で米不足は起きていないとコメント。サムズクラブはレストランなどにも広く利用されていることから、ある専門家は販売制限について、米不足よりもレストランや小売店による買いだめを警戒した動きだと解説している。

日本では9キロ袋をまとめて4袋買う人は少ないだろうが、ことは主食。波及したらどういうことになるだろうか。

実は、コメ騒動は江戸時代以前はしょっちゅう起きていて、米問屋の倉庫がぶち壊されて、あきんどが袋叩きになり、首謀者数名が引き立てられてさらし首になる。そして、幕府お庭番にかぎつけられて将軍の耳に入ると藩の一大事になり、代官が切腹する。

そして明治以降を見ると、二回の米騒動が発生している。新しい方は1993年。天候不良で需要量の80%しか供給できず、ついに日本も農協支配から脱出できたか、と思ったが、タイ・中国などからやっとの思いで輸入した米をろくに食わずに、また元の木阿弥となる。現在でも需要量の10%程度は輸入米なのだが、サプライチェーンを農協等の既存勢力が牛耳っているため、輸入米が、どこからどこに流れているのかもよくわからない状況だ。

そして、政権基盤までゆるがしたのは1918年に起きた米騒動。大阪堂島の米先物市場は沸騰し、庶民が米を買えなくなり、ついに富山で主婦パワーが爆発。8月1日に始まった米騒動は、その後、8月末には、全国各都市に波及。ついに報道制限や大規模警察力の行使が始まり、二人に死刑判決までが下されることになる。江戸時代と同じだ。

この結果、寺内内閣が崩壊し、原敬内閣がはじめての政党内閣を組閣。平民宰相と呼ばれる。

そして、今年8月1日は米騒動勃発90周年。富山県魚津市では、記念行事が行われる(ことはまったくないだろう)。一方、これから日本のブランド米を高値で買い漁るだろうと思われる隣国で五輪が開催されるのは、八月八日。米という漢字を崩すと、八十八となることはなんらかの歴史の符号であるのだろうか。あるいは今年八十七歳になる新宰相が登場し、塩爺あらため米爺とか呼ばれたり・・

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