消費者庁新設で、官民対決表面化へ

2008-04-25 00:00:29 | 市民A
ほぼ、何もしない福田内閣が任期中、最大かつ最後?の英断で、新たな省庁を新設するようだ。「消費者庁」。nikkei netから引用。

首相、消費者庁設置を表明・人員、他省庁から振り替え

福田康夫首相は23日午前の消費者行政推進会議で、消費者行政を一元化する新組織として「消費者庁」を来年度に新設する方針を表明した。内閣府の外局として相談窓口から他省庁への是正勧告、被害者救済まで強力な権限を持つ「消費者行政の司令塔」と位置付ける。行政の肥大化を防ぐため、法律や権限を移管する他省庁から機構・定員を振り替える原則も明らかにした。

首相は冒頭、消費者庁の具体像として(1)消費者の安全・安心にかかわる問題を幅広く所管、政策全般にわたり監視する強力な権限を有する(2)従来の生産者重視の考え方から脱却し、縦割り行政の弊害を除去する(3)地方の消費者行政の強化に向けて、国の支援を含めた抜本的な対策を講ずる――の三点を挙げた。

同時に「行政機構の肥大化を招いてはならず、むしろ各省庁の重複や時代遅れの組織を整理することにつながるものでなければならない」と指摘した。消費者庁の組織・人員は既存省庁からの振り替えを原則とし、政府全体の規模は拡大しない方針を打ち出した。 (4月23日 11:49)

以前、ある社にいた時に、ある大型中央省庁の担当をしていた。上は部長から担当官まで幅広く付き合っていた。メインはキャリアの班長(課長補佐)あたりだった。その後、仕事が変わったら、またも別の大型省庁の担当になり、やはり同じようなレベルの人たちと付き合うことになった。お役人と付き合うと、つい、かっとするような無神経なことを言われることが多いのだが、それを顔色に出さずに受け流す技が必要になるのだが、将棋を長くやっていたせいか、動揺を顔に出さないテクを持っていて、「ガマンにガマンを重ねて」各種の無理難題をこなしていた。

その無神経なことの一つに、彼ら高級官僚がよく使う言葉があった。

「この役所の建物も、私達がすわっている椅子や机も、皆さん国民の物です。私達は国家公務員ですから。」

というもの。

「皆さん国民の物」であれば、庁舎に入るに当たって、一々身分証明書を提示したり、カバンの中を見せなければいけないのも不愉快だが、それはガマンするとして、「皆さん国民」と「われわれ国家公務員」を対立的に表現することが問題なのである。

つまり国家公務員は、「国民」ではなく国家公務員という「別種人間」である、といわんばかりなのである。公務員だって平民だって、身分平等の日本人と思っていたから、役所の建物は、「皆さんのもの」ではなく「皆さん平民とわれわれ役人の両方の国民のもの」というべきはずだ。


そして、わざわざ「消費者庁」をつくるということは、一見、消費者優先に思えるかもしれないが、「消費者」がないがしろにされていることを政府自らが認めたということになる。消費者ではない国民はいないわけだから、言葉を代えれば「国民保護庁」ということになる。

そして、その消費者庁が新設されれば、既存省庁は「国民の味方というふり」さえやめてしまい、露骨に既存勢力(利権企業、農業漁業団体、外郭団体)の代弁者と化し、ますます行政は、「官民対決構造」になるような気もする。

が、よく考えれば、その消費者庁の人員自体、新規採用ではなく既存省庁からの横滑りであるのだから、「官」対「民」ではなく、「官」対「民もどき官」ということになるのだろう、と悲しく推測。


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