イタリアを攻める人たちは?

2006-03-20 07:21:56 | 市民A
088c3430.jpg妙な動きがある。九段にあるイタリア文化会館の外壁の色にクレームがついている。「赤色の外壁は、町並みにそぐわない」、とか、「反射光が自宅マンションに入り込み、食欲がなくなり病気になった」、というような話で、住民が署名2,700人分を集め、小池環境相に持ち込んだそうだ。大臣も本家イタリアでは町並みを保護しているのだから・・と口を濁しているというのだが、あまりはっきり書かれていないし、イタリア大使館も本国に連絡すると言っているらしい。とりあえず、それ以上は闇の中である。


さて、およそ、場所はわかっていて、九段坂を上っていって靖国神社の先のインド大使館のあたりで内堀通り沿いに左に曲がったところだが、皇居とは少し離れていたような、と思ってもそれほど奇抜な建物は記憶にない。まずは、実物を見に行くと、二松学舎高校と山種美術館の間にある。12階建て。

確かに正面から見ると白い石質タイルと赤いファサード、緑がかったガラスのビルがあるが、予想していた、”ショッキングな赤”ではない。イタリアの赤というと、どうしてもフェラーリをイメージしてしまうが、このビルの赤は、ずばりトマトソースだ。近くにはトニーローマもあるし、なかなかのセンスだ。ただ、内堀通りは、まったくデザインの統一性がないので、どうも「町並み」とか「景観」と言われても、このビル一つで何が・・・というように感じる。第一、何色ならいいというのだろうか。

088c3430.jpgそして、どうも、よくわからないまま、裏道から千鳥ヶ淵の周縁の遊歩道に出ると、気が付いたのだが、こちら側から見ると赤と緑の二色仕立てになる。ただ、これは裏側だ。そして、2,700人という署名は驚くのだが、住民が住んでいると思えるのは二つの建物しかない。一つは高級マンション。もう一つはよくわからない。最大限200人といったところではないだろうか。ただし建物がべったり隣接しているわけでもない。皇居内の住人からは見えるのだろうか、もし目障りとすれば手前のマンションの方だろうが、いずれにしてもずいぶん離れている。もしかすると、例の大手町東京海上ビルのような政治的話なのだろうか。場所柄、警察官の姿もチラホラ見受けられるので、空き巣の下見と間違えられない内に退散して、情報収集に移る。


地図を見ていて驚いたのは、二つの集合住宅のうち一つは「パークマンション千鳥ヶ淵」。パークという名前のマンションには高級なものが多い。もちろんここも言うまでもない。そして、もう一つは公務員三番町住宅となっている。公務員?!つまり「官舎」ということなのか・・・例の「都内の官舎の売却」という首相の公約の対象案件なのだろうか。そして、イタリア文化会館の斜め向かいには宮内庁分室とあるが、さらに調べると桂宮家のご住居ということだ。ヒゲの殿下の弟君である。

088c3430.jpg一方、この文化会館だが、外壁の色をかなり落としたそうである。やはり当初はフェラーリだったのだろう。千代田区と協議の結果、漆器の色にしたそうだ。トマトではなかった。確か漆器は英語ではjapanだったと思う。ただペンキで金属に着色したため、少しだけ変色してしまったのかもしれない。しかし、地元の役所との折衝の結果決まった色にケチがついて、さぞ驚いているだろうとは想像がつく。もしかして「補償金が目的なのだろうか?」と疑っているに違いない。そういう組織の本場の国だからだ。

ただ、私見なのだが、このビル、2003年に建て直しを始めたのだが、場所がふさわしくなかったのではないだろうか。このあたりは日本の特定勢力の方々のシマである。イタリアンに相応しい場所といえば港区でしょうね、というところなのだが、最善の一手は引越しだったのだろうが、手遅れであり、既に厄介に巻き込まれてしまったようである。だいたいイタリア人は、そういう難しい話に巻き込まれ、誤解に誤解を重ね泥沼にはまるという映画が多い。前の戦争でも若干そういう展開だった。逆に、このあたりの地縁勢力からすると、「おまえのせいで負けた」と思われているのかもしれない。

ところで、最初に書いたように、ではビルを何色にすればいいのかと言われても、緑色のガラスに調和させるのは難しい。いっそのこと、ペンキを全部はがしたあと、本物のウルシ塗りにしてしまえばどうなのだろう。