きょうTV録画で怒る人

2006-03-03 07:39:37 | しょうぎ
68037694.jpgまた、将棋の話になってしまうが、3月3日はいわゆる「将棋界の最も長い日」と呼ばれるA級順位戦の17年度最終局である。10人のトップ棋士が1年間を通して総当りリーグ戦(一人9局/全45局)を行い、成績のもっとも良い棋士が名人戦7番勝負に挑戦し、下位二人がBクラスに降格する。Bからは二人上がってきて、翌年のリーグに参加する。

そして、今年、盛り上がっているのは、8回戦を終わったところで、両巨頭である羽生善治、谷川浩司の両名が7勝1敗と驚異的に星を伸ばしているからだ。直接対局は既に終わり羽生が勝ったのだが、最終局で両者勝ち、または両者負けの場合は別途プレーオフになる。また、二人が勝ち過ぎたため、他の棋士の星は伸びず、陥落二人が誰になるのかも最終局の結果次第である。

そして、ここからが問題なのだが、5局同時に朝9時から深夜(たぶん何局かは翌朝)まで続く対局を同時体験したいとは、多くの将棋ファンの願いなのだが、

A.狭い将棋会館道場で3000円払った上(深夜タクシー代別途)立見席で解説会を見るか、
B.毎日新聞の有料サイトに加入しパソコン上で味気ない画像を見るか、
C.NHK衛星第二で衛星料金を払った上で、渡辺明竜王の解説付きで実況放送を見るか

なのだが、普通の人はCを選ぶ。放送予定はYahoo!テレビで確認すると、朝9:40から11:00、午後16:00から18:00、そして夜22:00から25:30と3回に分かれる。そして昼間は仕事をされている方が多いだろうから、朝と昼の分は録画して、20:00頃家に帰って、「フロ・メシ・ヴィデオ」とか叫んで早送りで確認して、22:00からの実況生放送に備える。という集団行動が目に浮かぶ。そしてその予約は前日深夜までにセットされているはずだ。

そして、万全な予約をして、会社のPCでこっそりこのブログを3月3日の朝、見ている方には、ここで残念な話がある。

放送時間が変更になったのだ。実は私がこの情報を知ったのは、放送の解説をする渡辺竜王のブログを読んだところ、NHKから「国会中継があるから、時間が変わる」旨の通知がきたそうだ。そして、彼はブーたれて、「将棋と国会とどっちが重要なのだ」と悩ましく書くのだが、将棋の方の支持者を増やすために書き加えると、「将棋と参議院とどっちが重要なのだ」と書くべきだっただろう。

そして、ビールを飲みながらヴィデオまたはHD、またはDVDを再生すると、まず自民党議員が1時間20分登場しているはずだ。そしてそのあと民主党議員が1時間登場。最後にちょっとだけ将棋の時間がかぶっている。あー残念。

はっきりいって、NHKのHPでも番組変更が表示されたのは2日の夜である。相当な硬直ぶりだ。まさか情報の確認にウラを取る時間がかかったのではないだろう。(おおた注:3日7時30分段階でYahoo!TVも修正されている)

そして、将棋ファン以外にも、「まことに残念」という分野の方がいるだろうと発見。NHK総合で16:05から45分間を予定していた「その時歴史は動いた-北里柴三郎」を再放送で録画しようと思っていた方も、いずれ再生した時に、民主党参議院議員の姿を見るだけになるわけだ。あー残念。


ところで、最近、羽生善治氏の「決断力」と谷川浩司氏の「集中力」という2冊の本を読んだ。題名がすべてであるのだが、重要なのは決断と集中であるということはよくわかる。しかし、それを持っている二人が成功したということもわかるのだが、その能力を持ち合わせていない凡人が「決断」や「集中」を手に入れる方法は、いくらよく読んでも書かれていないように思える。秘訣は「社外厳秘」なのだろう。いずれ家訓に書いておいてほしい。