忘れてしまおう「ウォームビズ」

2006-03-29 00:00:11 | マーケティング

2f8ebfb0.jpg3月下旬になり、東京は、もうすっかり暖かい。既に、桜は開花しているし、コートを着ている人もほとんど見ない。昼食に外出する人は、ワイシャツ姿だ。そして、冬にサヨナラする前に思い出さなければならない国家政策があった。「ウォームビズ」。

実は、名前も思い出せず「ホットビズ」だったかなと考え込む始末。総選挙と相まってブームになった「クールビズ」にあやかったのだろうが、どうなったのだろう。

ところが、もう誰もこのコトバ、口にしなくなり、死語状態である。したがって効果測定も何もないのだが、おぼろげながら思い出すと、この冬は出足が寒くて、ビズどころでなかったような記憶がある。そして、景気回復とかいろいろあって、寒すぎるとインフルエンザが流行るから寒くしないようにということになったり、あいかわらず、オフィスはパソコンやプリンターから発生する不均一な熱が充満し・・・

もともと、よくわからないのは、普通の人は、会社に行くと、スーツの上着を脱いでワイシャツで仕事をしている。寒ければ、上着を着るだけである。あえて、ベストやセーターやインナーなど必要なのだろうか。小池環境大臣は、「インナーが決め手」といってババシャツを推奨していたが、実際にインナーに着込みすぎると暑すぎる場所で困ってしまう。

また、職場でも、ちょっと(1度か2度)寒いからといって、ベストなど着ようものならすぐにジジサマ扱いされる。冬物衣料は売れたようだが、それはビズのせいではなく、単にちょうどいい時期に寒波がきたからだけではないだろうか。 東京の平均気温を検証してみる。

「昨冬」と「平年」と気温を比較してみるのだが、この平年というのは1971年~2000年の30年間の平均値であり、地球が温暖化している昨今の状態ではだいぶ低い数字となっている。そうすると、10月は暖冬、11月はやや寒く、12・1月は厳冬だったことになる。ところが一転2月は暖冬。3月に至っては、1日から27日の平均でも相当暖かい。28日以降の気温の方が高いだろうから、かなりの暖かさである。つまり、冬物衣料商戦にとっては11月後半からの寒さは理想的な展開だったわけだ(ただし、次年度は苦しい)。

結果、当初政府が考えていたような図式にはならず、暖かすぎる状態から寒すぎる状態になり、再度暖かすぎる状態に戻ったわけだ。つまり、ウォームビズ効果は測定不能ということになるのだろうが、たぶん、いつも奇妙な経済波及効果を計算する第一生命総合研究所は、ちょうちん効果額を算定するのだろう(控えめに100億円と算出するだろうと予測)。