ナショナル・ギャラリーが・・

2006-02-20 00:00:20 | 美術館・博物館・工芸品
fc568f6e.jpg地下鉄乃木坂駅は地形的な構造により、坂の上の東側出口と坂の下の西側出口とでは高低差がある。この低い方の西側出口を出て、歩道橋に上がると片手に建設中の工事現場が見える。歩道橋には高い目隠し板が取り付けられ、壁の向こう側を見るには苦労する。さらにその先にも二重の目隠しがあるようにも見える。埼玉県戸田市にある日銀の紙幣流通センターが紙幣の大増刷に備え、第二流通センターでも作っているのだろうか。

しかし、よく確認すると「国立新美術館」の建設工事であった。建物の構造はほぼ完成しているようだ。付属の庭園工事などはまだ全然のように見える(壁の間からのぞくと)。

ところで、日本には既に4.5ヶ所の国立美術館がある。上野の西洋美術館、竹橋の近代美術館とその脇のおまけの工芸館。京都の京都国立近代美術館、大阪の国立国際美術館。確かに、どこも一長一短というか、政策が感じられないというか、所蔵作品の偏りがあるとか・・

ホームページを見ると今年中の開館ということになっているが、一体、間に合うのだろうか・・大いに心配だが、工事現場の一般的法則である「他の工事現場を遅延させることによる集中突貫工事により工事速度は3倍以上に上がる」が適用となるのだろう。

そして、国立施設ということになれば、出資金の出元は税金または国債である。すでに美術館や博物館は完全民営化にはしないことが決まっていて、黒川紀章氏に払う設計料や建設費もかさむ。その上、普通、新美術館は美術品をかき集めなければならない。大量の美術品を買い漁るとなると、世界の美術品相場は暴騰し、バブル期に特に日本企業が集めたため、現在暴落中の「印象派」の絵画の評価損を抱える各美術館は大喜びになるはずなのだが、そうはいかないらしい。何しろ、この新美術館には所蔵品がないそうだ。

所蔵品を持たずに展覧会一本で運営するそうだが、この巨大美術館でそんな数多くの展覧会が可能なのだろうか?民業圧迫になるのではないかと本気で心配になる。案外、箱物を先に作ってから、少しずつ予算をとって所蔵品を買い足していこうという陰謀があるのではないだろうか・・

そして、展覧会のみで行こうという方針をとる美術館は、この新美術館から徒歩10分のところにある六本木ヒルズ53階の森美術館も同様。競争関係になる。森美術館はさらに眺望付きだ。

ところで、工事中の新美術館をなるべく見せないため作った高度2メートルの目隠しは、一体何のためだろうか。色々と考えてみると、なにか秘密があるのではないだろうか。美術品強奪に備え、貴重品緊急搬出用の抜け穴とか掘っているのではないだろうか??最近、城造りの本の読みすぎかもしれない。多くの城は抜け穴を造った後、設計者を生き埋めにしているのだが、その方式だと黒川紀章氏を捕まえ、粘土で固めて、「行方不明になった、ある建築家の像」として中庭に展示しなければならない。

fc568f6e.jpgしかし、見えないもの程、見たくなるのは人間の習性である。不意の深夜撮影に備え、持ち歩いている簡易三脚をデジカメに取り付け、セルフタイマーを回して歩道橋の目隠し板の上に突き出してみる。まったく怪しい限りだ。

再び乃木坂駅に戻ると、美術館開館に備え、トイレの大改修工事をしている。たぶん、抜け穴の出口は駅のトイレの天井裏であると推定。