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ボーリング屋さんに加工を依頼していたピストンとシリンダーが出来てきたので紹介します。
WPC加工はショットピーニングの高度化した方法のようなもので、金属の表面を改質して強度を増す事ができます。
それに2硫化モリブデンをコーテイングすると、潤滑性も改善することができます。
*WPCで検索すると色々出てきます。

シリンダーの内面もボーリングの後に、WPC、モリブデンとおカネを掛けてみました。
矢印の示すクランクケースとの当り面は、シリンダーの中心軸と正確に直角になるように研磨も致しました。
ショベル以前のシリンダーは鉄の鋳物なので、WPC加工するとカーボンが飛んでしまい潤滑性が悪くなりますから、WPCの後のモリブデンショットは必須だそうです。
使い込んだシリンダーや社外品は、シリンダーベースが狂っている可能性がありますので、このように研磨すると万全だと思います。
*シリンダーベースの精度が悪いと、シリンダーの中心軸とピストンの動きが一致しなくなり、フリクションロスの増大、ピストン・リング・シリンダー内壁の磨耗増大等が考えられます。

今までに見たショベル以前のピストンは全部と言っても良いぐらい、この写真のようなピストン側部の当り方を見せています。青線の内側の限られた部分だけキズになっているのが分ると思います。

ピストンだけなら良いのですけれど、シリンダーの内壁もピストンの縦キズと同じ場所に深い縦キズが付いています。
それ以外のところは、ボーリング加工の仕上げのホーニングでつけられるクロスハッチが残っているのを見ると大したマイレージを走っているとも思えません。
縦キズの深さは、1/100インチのオーバーサイズに合わせたボーリングではまだ残ってしまうケースも多く、その為に一挙に2オーバーサイズの作業になり、80cu,inの場合ではすぐ上限の3/100(純正)になってしまいます。
縦キズが多く見られると、弊害は?
・ガス洩れが多くなり、ブリーザー圧力も高くなりブリーザーからのオイル吐出量も増える。
・一般的に言う「オイル上がり」の状態で、オイル消費量が大きくなり、燃焼室のカーボン堆積も増える。
縦キズのできる原因は?


ノギスなのでそう正確とは言えませんが、ピストンスカート部の大きさは写真のように8/100も違います。
つまり、側圧を受ける部分は大袈裟に言うと「尖って」いるのです。
①キズを良く見ると2サイクルエンジンが焼きついたものと良く似ているので、もしそうだとすると・・・・。
ピストンは形状が複雑なので、熱膨張してから真円に近くなるように設計されるはずですが、キズ以外のところはシリンダーと摺動した形跡がないので、ピストンの設計が適切ではない。それにより当り面積が少ないので、面圧が高すぎてオイル切れを起こしている?
②コンロッドの長さが足りないとピストンの側圧が高くなる?→ショベルの場合ではストロークの倍近くあるので問題はない?
③ドームピストンは頂部が重いので首を振る?→スカートが長いので問題はない?
④カーボンが噛みこんでキズを作る?→ピストンリングを乗り越えてカーボンが存在するとも思えない。もしそうならピストン全周にキズがあるのでは?
まだ他にもガス圧が不均等であるとか考えられますが、WPCやモリブデンショットは他に実績があるので、今回のテストには期待を掛けています。
このような事はタブン他のショップさんでは実施していて効果を出しているかもしれませんが、ワタシはこのブログで”公開実験”してみましょう。伝票がまだ来ていないので費用は分りませんが、かなり高いモノに付きそうな予感が・・・・・。

ボーリング屋さんに加工を依頼していたピストンとシリンダーが出来てきたので紹介します。
WPC加工はショットピーニングの高度化した方法のようなもので、金属の表面を改質して強度を増す事ができます。
それに2硫化モリブデンをコーテイングすると、潤滑性も改善することができます。
*WPCで検索すると色々出てきます。

シリンダーの内面もボーリングの後に、WPC、モリブデンとおカネを掛けてみました。
矢印の示すクランクケースとの当り面は、シリンダーの中心軸と正確に直角になるように研磨も致しました。
ショベル以前のシリンダーは鉄の鋳物なので、WPC加工するとカーボンが飛んでしまい潤滑性が悪くなりますから、WPCの後のモリブデンショットは必須だそうです。
使い込んだシリンダーや社外品は、シリンダーベースが狂っている可能性がありますので、このように研磨すると万全だと思います。
*シリンダーベースの精度が悪いと、シリンダーの中心軸とピストンの動きが一致しなくなり、フリクションロスの増大、ピストン・リング・シリンダー内壁の磨耗増大等が考えられます。

今までに見たショベル以前のピストンは全部と言っても良いぐらい、この写真のようなピストン側部の当り方を見せています。青線の内側の限られた部分だけキズになっているのが分ると思います。

ピストンだけなら良いのですけれど、シリンダーの内壁もピストンの縦キズと同じ場所に深い縦キズが付いています。
それ以外のところは、ボーリング加工の仕上げのホーニングでつけられるクロスハッチが残っているのを見ると大したマイレージを走っているとも思えません。
縦キズの深さは、1/100インチのオーバーサイズに合わせたボーリングではまだ残ってしまうケースも多く、その為に一挙に2オーバーサイズの作業になり、80cu,inの場合ではすぐ上限の3/100(純正)になってしまいます。
縦キズが多く見られると、弊害は?
・ガス洩れが多くなり、ブリーザー圧力も高くなりブリーザーからのオイル吐出量も増える。
・一般的に言う「オイル上がり」の状態で、オイル消費量が大きくなり、燃焼室のカーボン堆積も増える。
縦キズのできる原因は?


ノギスなのでそう正確とは言えませんが、ピストンスカート部の大きさは写真のように8/100も違います。
つまり、側圧を受ける部分は大袈裟に言うと「尖って」いるのです。
①キズを良く見ると2サイクルエンジンが焼きついたものと良く似ているので、もしそうだとすると・・・・。
ピストンは形状が複雑なので、熱膨張してから真円に近くなるように設計されるはずですが、キズ以外のところはシリンダーと摺動した形跡がないので、ピストンの設計が適切ではない。それにより当り面積が少ないので、面圧が高すぎてオイル切れを起こしている?
②コンロッドの長さが足りないとピストンの側圧が高くなる?→ショベルの場合ではストロークの倍近くあるので問題はない?
③ドームピストンは頂部が重いので首を振る?→スカートが長いので問題はない?
④カーボンが噛みこんでキズを作る?→ピストンリングを乗り越えてカーボンが存在するとも思えない。もしそうならピストン全周にキズがあるのでは?
まだ他にもガス圧が不均等であるとか考えられますが、WPCやモリブデンショットは他に実績があるので、今回のテストには期待を掛けています。
このような事はタブン他のショップさんでは実施していて効果を出しているかもしれませんが、ワタシはこのブログで”公開実験”してみましょう。伝票がまだ来ていないので費用は分りませんが、かなり高いモノに付きそうな予感が・・・・・。
HDのピストンスカート部の傷につくのは製作ミスかもしれません。ピストンは倣い旋盤を使ってオーバル形状に加工してますが、冠面が平でないピストンは押さえるのが難しく、形状が正しく出ない場合が良くあります。
お褒めに預かり恐縮です。
関連のお仕事なのですか?ショベルのリペアピストンのホトンドはジャンクに近いものですから、困ってしまいます。