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中国朝鮮族と在日朝鮮人の民族教育 5

2007年05月23日 | 民族教育
■中国朝鮮族教育を巡る問題点 2
二言語教育の問題
 少数民族学校において、自民族語と中国の共通語である漢語を同時に教えることは、「二言語教育」と呼ばれる。朝鮮族の二言語教育は中国で成功している例として取り上げられているが、実際には問題がまだ多い。
 延辺地区と散居地区における朝鮮族子どもの家庭のなかでの言語の使用状況が違う。延辺地区の子どもは、朝鮮語を母語としている人が多いが、散居地区の子どもは漢語を母語としている人が多い。したがって、延辺地区と散居地区の朝鮮族子どもが二言語を身に付ける順番も違う。つまり、延辺地区の子どもはまず朝鮮語を身につけてから漢語を勉強するが、散居地区の子どもは漢語を身につけてから朝鮮語を勉強するのである。
 それゆえに、彼らに二言語教育を施す時にも、それぞれ違った教育目標を制定し、違ったカリキュラムや教材を作るべきであると思う。北朝鮮や韓国の子どもに比べても劣らない朝鮮語能力を有する龍井実験小学校の子どもたちと入学する前に挨拶程度の朝鮮語しかできない散居地区の子どもたちに同じような朝鮮語教育を行うのは、いうまでもなく不合理であろう。
 しかし現在、散居地区の朝鮮族学校は、自らの状況を考えたうえで、朝鮮語の授業に多くの時間を割いたり、漢語の授業では漢族学校で使われている「語文」の教科書を取り入れたり工夫しているが、朝鮮語文の教材としては、延辺地区の子どもと同じく延辺朝鮮族教育出版社の出版したものを使用しているのである。そのために、散居地区の朝鮮族学校は延辺地区の学校より朝鮮語の授業にかなり多くの時間を割いている(たとえば、小学校の場合は52.6%も多い)。
 以上のことから、民族教育の対象となるものをさらに細分し、延辺地区と散居地区の朝鮮族子どもの特徴をじゅうぶんに考慮に入れた二言語教育を実行して行くことは、中国朝鮮族における二言語教育のもっとも重要な問題ではなかろうか。
 朝鮮族学校では、漢語以外の授業はすべて朝鮮語によって行い、漢語は外国語のような科目にすぎないので、漢語に弱い子どもが多い。本論文のアンケート調査から見れば、朝鮮族学校出身の8割程度の学生は、大学に入ってから漢語で困った経験がある。
 改革・開放、市場経済の進展により、漢語の重要性が様々な領域で高まっており、漢語に弱い朝鮮族学校の卒業生は進学や就職などの面でたいへん不利である。そこで、朝鮮族学校は、漢語の授業時間を増やしたり、開始の時間を小学校一年に早めたりして、学生の漢語能力の引き上げに努めている。しかしその結果、朝鮮族学校の子どもの負担はますます増加している。
 朝鮮語、漢語両方を勉強するため、朝鮮族学校の子どもの授業時間数は、漢族学校の子どもより1000時間も多い。これは漢族学校の1年間の授業量にあたる。
 このような負担は、子どもたちの学習の質を低下させ、漢語だけではなく、ほかの科目の勉強にも影響を与えている。そのため、3年制の中学校を4年制に延長する実験(たとえば延辺朝鮮族自治州和龍市龍水初級中学校)も行われていたが、反対する人も多く、まだ全面的に実施されていない。
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