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「「侵攻用」のトマホークミサイルに5億円投入…日本の狙いは」

2023年01月08日 | 国民国家日本の侵略犯罪
「The Hankyoreh」 2023-01-07 10:53
 「侵攻用」のトマホークミサイルに5億円投入…日本の狙いは
 [ハンギョレS]2023年、朝鮮半島はどこへ:日本の反撃能力
 ソ・ジェジョン|国際基督教大学政治・国際関係学科教授

【写真】2003年3月23日、地中海で作戦中の米海軍誘導ミサイル巡洋艦USS(USS)ケープセントジョージ号(CG71)からトマホークミサイルが発射されている/AP・聯合ニュース

 トマホークは多目的道具の元祖だ。もともとトマホークはアメリカ先住民が斧としても使用し、ハンマーとしても使用していた物だ。刃物の代わりに使ったり、遠く離れた獲物を捕まえるのにも優れていた。ヨーロッパ人が「新大陸」にやってきた時、彼らと戦う時は武器として使ったりもしたが、平和に交流する時はタバコを入れて吸い合う「平和のパイプ」でもあった。スイスでは「多機能ナイフ(アーミーナイフ)」を開発するかなり前に大ヒットした元祖多目的工具だった。
 1970年代に米国の軍需企業ジェネラル・ダイナミクス社が新型ミサイルを開発した時、これに「トマホーク」という名前を付けた。投げたトマホークがぐるぐる回りながら飛んでいき、目標に正確に刺さる様子を連想したようだ。この新型ミサイルは低高度で地面すれすれを飛び、目標を正確に打撃するように設計されたためだ。飛行機のように巡航するのにパイロットは必要ない。あらかじめ入力された地表面の様子と実際に飛びながら見る様子を比較しながら航路を自動操縦する。最終段階ではカメラで目標を撮って確認したり、レーダーで精巧に合わせて打撃する。「蝶(飛行機)のように飛び、蜂のように刺す」ミサイルだ。
 現在レイセオンが生産するトマホーク巡航ミサイルは、1990年代に入ってその真価を発揮し始めた。実戦で初めて使われたのは1991年の湾岸戦争だった。1月17日のイラクに対する最初の攻撃を担ったのがトマホークミサイルだった。戦争初期、イラクの指揮部と主要施設を破壊し、イラク軍の防衛能力を麻痺させた。戦闘機が投入され、陸軍兵力が後に続いたことで、イラクはあっという間に崩壊した。湾岸戦争に使われたトマホークミサイル288発は、米軍の先制攻撃の先鋒であり、米国の勝利において一番の功績を残した。1998年にはアフガニスタンとスーダンへの攻撃に動員された。アルカイダの訓練基地にオサマ・ビンラディンがいるという情報を入手し、彼を除去するためにトマホークミサイルを発射した。スーダンの製薬工場はアルカイダとの協力の下、化学兵器を生産していると疑われていた。クリントン政権はテロリストが米国を攻撃する前にこれを除去するための先制打撃だったと主張したが、実質的な先制攻撃だった。
 ここでもトマホークミサイルがさん然と功績をあげた。その後、ユーゴスラビア、シリア、リビアを攻撃するのにも使われたが、トマホークミサイルが「史上最高」に動員されたのは2003年のイラク侵攻だった。802発が投入された。この時も攻撃の先鋒にはトマホークミサイルがあった。3月19日未明、F117ステルス戦闘機が「バンカーバスター」爆弾を投下すると同時に、トマホーク40発が飛んだ。サダム・フセインが隠れているという宮殿を奇襲攻撃し、首脳部を除去するのが目的だった。「バンカーバスター」は目標を打撃できなかったが、トマホークは正確だった。続いて大規模に米軍が投入された。トマホークミサイルは2003年にも先鋒隊長であり、最高の功労者だった。

◆日本がトマホークを狙う理由
 日本の岸田政権は、このトマホークミサイルを最大500発購入しようとしている。最近公開した安保政策文書で掲げた「反撃能力」を確保するためだ。敵国が日本をミサイルで攻撃する前にその能力を無力化させる「スタンドオフ防衛能力」の確保に、今年から2027年までの5年間で5兆円を使う計画だ。米国からトマホークミサイルを購入して直ちに実戦配備し、2026年までに自国産ミサイル「12式地対艦誘導弾」の射程距離と性能を改良し、「反撃能力」として導入する計画だ。
 日本ではそもそも安倍晋三政権が「敵基地攻撃能力」を追求した。ところが、それは先制攻撃能力ではないかという批判が起こり、岸田文雄政権では呼称が少々変更された。その一方で、いつどのように反撃するかは明確にしていない。公明党と合意した内容は、敵の攻撃着手段階で打撃を加えるというものだが、それでは「着手段階」をどのように定義するのかという問いを改めて生むだけだ。岸田首相は「安全保障の微妙な部分」だとしてうやむやにしている。にもかかわらず、朝日新聞は「敵基地攻撃能力(反撃能力)」と表記している。内容的には変わっていないからだ。敵の攻撃を受けた後で反撃するという善良な名前を付けたものの、実際は先制攻撃も辞さないという暴力的な態度だ。「反撃能力」で最初に導入するというのがトマホークミサイルであるという事実が、日本政府の本音を表わしている。やはり言葉よりも行動を見なければならない。
 米国がトマホークミサイルを使用した履歴こそが、否定できない物証だ。1991年と2003年のイラク、アフガニスタン、シリア、リビア…。トマホークミサイルは例外なく侵攻の先鋒だった。もちろん、米国政府はこれらの作戦が合法的な「先制打撃」だったと主張しており、日本政府内でも「反撃能力」は先制攻撃するということではなく、敵国の侵攻計画自体を困難にするための防御手段だと合理化している。
 しかし、トマホークミサイルは先制攻撃という一つの目的に使われざるを得ない宿命を抱えている。歴史上最も隠密で最も正確だが、最も遅いミサイルだからだ。1千キロメートルを飛行するのに、ほぼ1時間がかかる。これに比べて弾道ミサイルは10分もかからない。まともに効果をあげるためには、敵が動くかなり前にあらかじめ発射しなければならない。敵基地から弾道ミサイルを発射する間近の段階でトマホークミサイルを発射すれば、目標に到着する頃には敵国は片付けまで終えているだろう。
尹錫悦政権はきちんと理解しているのだろうか
 日本にはおそらく50分ほど前に敵のミサイルが炸裂するはずだ。岸田政権が望む通り、敵国が日本を攻撃する前に破壊するためには、いち早くトマホークを発射させるしかないという技術的な限界がある。トマホーク導入後に追加するという12式ミサイル改良型も、ほぼ同じ性能と限界を持っている。中国や北朝鮮が攻撃を始めるはるか前に、日本が「反撃」のためにトマホークミサイルを発射すれば、彼らは当然にも先制攻撃が始まったと判断するだろう。急いで反撃するに違いない。
 北東アジアでイラク戦争のような一方的な侵攻は不可能だ。戦争拡大は必然的な帰結だ。安倍政権は安保法制を整備し、日本が戦争できる国となる扉を開いた。今や岸田政権はその扉を通過し、先制攻撃能力の確保に向けて疾走している。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、このような日本とさらに軍事協力をしようとじりじりしている。2023年の読者の皆さんの平安を祈る。

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1074769.html
韓国語原文入力:2023-01-07 08:00
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