三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「誰が‘慰安婦ハルモニ絵本’の日本出版を阻むのか」

2016年02月05日 | 個人史・地域史・世界史
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/9127.html
登録 : 2011.09.15 07:52修正 : 2011.09.15 07:52  原文入力:2011/09/14 19:31(2434字)
■[なぜならば] 誰が‘慰安婦ハルモニ絵本’の日本出版を阻むのか

キム・ジャンソン‘韓・中・日共同企画平和絵本’企画委員
日本の出版社がようやく出版しようと言うのに
出版準備会議のため国内に入ろうとした
在日同胞翻訳者が入国を拒否された

 <花のハルモニ>という絵本がある。昨年、日本政府の謝罪をついに受けられずに亡くなった日本軍慰安婦被害者シム・タリョンハルモニの胸が痛む所以と、再びそんなことがないことを願う後世代の切実な念願が込められた絵本だ。筆者はこの絵本の編集者だ。 
 <花のハルモニ>は不幸な近代史を共有した韓・中・日3ヶ国の絵本作家らと出版社が集まり、‘過去を正直に記録し現在の痛みを共有し平和な未来のために連帯しよう’という誓いと共に子供たちに平和のメッセージを伝えようと企画された‘韓・中・日共同企画平和絵本’シリーズの一冊だ。国ごとに4人ずつ12人の作家が絵本一冊ずつを作り計12冊を作ることを計画した‘平和絵本’シリーズは韓・中・日3ヶ国で同じように出版することが約束されている。
 ところで韓国で昨年6月に出版され、中国でも出版を目前にした<花のハルモニ>が日本では出版が容易ではない。慰安婦問題を認めない自国内勢力の反発と威嚇を心配する日本の出版社が過剰なほどに慎重な態度を示しているためだ。しかしそうであるほど一層<花のハルモニ>は日本で必ず出版されなければならない本であり、日本側出版社もその点には同意していて、出版のための準備作業をじわじわと進めている。
 そうした中で、最近この絵本の日本出版を遅延させるもう一つの事件が起きた。意外なのは、事件の背景が不幸な我が国の近現代史であり、主演は駐日韓国大使館だという点だ。
 理由はこうだ。今月中旬、日本側出版社の最高責任者と編集者、そして<花のハルモニ>を日本語に訳す翻訳者が来韓し、韓国の作家・編集者とともに日本語版出版のための最後の会議をする予定だった。ところが、その重要な会議が無期限延期された。駐日韓国大使館が翻訳者の国内入国を許可しなかったためだ。彼が‘朝鮮籍’の在日同胞であるからとの理由だ。
 ‘朝鮮籍’は日帝崩壊以後、当時日本に居住していた朝鮮人たちに自動的に付与された国籍だ。その3年後、韓半島の南北にそれぞれ別の政府が立てられ、‘在日朝鮮人’たちには国籍問題と関連して日本に帰化したり大韓民国国籍を取得し‘外国人’として残ったりという選択肢ができた。北韓は日本と修交しなかったために北韓国籍を持つことは除外された。代りに北韓行きを希望する在日朝鮮人は1950年代中盤から1984年まで北韓政府が大々的に施行したいわゆる‘北送事業’により北に行った。この3つの道の中でどれも選択しなかった人々が2010年現在外交通商部推算で約6万人ほどいる‘朝鮮籍’在日同胞たちだ。日本の永住権を持つだけで何の政治的権利も認められずにいる彼らは現在日本に居住するすべての人々の中で最も強く差別を受け佗びしく生きている人々だ。また、その相当数が祖国の分断を認めたくなく、今は存在することもない国‘朝鮮’の国籍に固執しながら、一日も早く韓半島が統一されることだけを待っている無謀なほど純真な人々だ。そして何よりも彼らは日本帝国主義の暴圧的植民支配によりルーツを抜かれた身分となった悲劇的歴史の被害者たちだ。その被害者のひとりが、同じく悲劇的歴史の被害者である慰安婦ハルモニの話を書いた絵本を翻訳し日本で出版されるようにすることはどれほど意義のあることだろうか?
 ‘朝鮮籍’在日同胞が韓国に入国するためには、駐日韓国大使館から入国許可を受けなければならない。筆者は会議を成功させるために出版社が彼の財政と身元を保障するという内容の招請状、‘平和絵本’の趣旨と内容を説明する資料、すでに出版された4冊の平和絵本を協力を要請する公文書と共に翻訳者に送り駐日韓国大使館に提出するようにした。そこには翻訳者が72才の老人であり、童話作家として多くの韓国の子供の本を日本語に翻訳・紹介した韓国文化伝播者だという事実が記されている。しかし大使館は他の資料は受け取りさえせずに招請状一つだけを受け付け、数日後に‘不可’という真っ赤な印鑑が捺されたハガキ一枚を発送したという。
 言論の報道によれば、総連に近かったり総連と関係があるという疑いで長い間不許可となってきた‘朝鮮籍’在日同胞の大韓民国往来は、1990年の南北交流協力法制定以後、参与政府時期に至るまでほとんど自由になったが、現政権が始まった以後、南北関係が悪化しながら不許可件数が急増し、それに伴い、彼らが入国許可申請を最初からあきらめる場合も大きく増えている。
 ‘民族’と‘同胞愛’、‘自由’と‘民主’、‘世界平和と人類共栄’の追求を憲法前文に明示し標ぼうする大韓民国の国民として、筆者は駐日韓国大使館と外交通商部と大韓民国政府と読者の皆様に尋ねる。悲劇的歴史の被害者たちを抱きしめる人道的次元ででも、平和のための民間出版活動を支援する次元ででも、日本社会に慰安婦被害者問題を喚起しその解決を促そうと思う努力を励ます次元でも、そのどれでもないならば分断状況の中で大韓民国の体制優位を示す国家安保的次元ででも、‘韓・中・日共同企画平和絵本’を共に作っている‘朝鮮籍’翻訳家が日本軍慰安婦被害者ハルモニの話を書いた絵本の日本出版を成功させるために大韓民国に入国することを許可することが正しくないだろうか? いや、最小限 彼がどんな仕事をするためにこの地に入ってこようとするのか、その理由に耳を傾けて聞いてみなければならないのではないか?

   原文: http://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/496094.html
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