松村の地蔵さん
松村(曽根町)の大歳神社の東隣に地蔵堂があり、そこに、写真のような像の地蔵様が祀られています。
正面からは、後背がとがって屋根型となり、その下は、廂(ひさし)のように張り出しています。全体として板碑のような感じです。
総高95センチ、像高30センチの像で、南北朝から室町初期ごろの造建といわれていています。
この地蔵さんは珍しいことは、本尊の下にさらに「二体の坐像合掌仏」が刻まれています。
『高砂市の文化財(石造篇)』は、下の二体のお像を仏像とされていますが、この二体は、仏ではなく信心深い夫婦と考えるのです。
つまり、この二体の像は、自分たちの祖先を供養するために、この像を創建した夫婦の像と考えます。
供養者はどんな人物でしょう。このような立派な像は宗教心だけではできるものではありません。
当時、この近辺に経済力をもった有力者が創建したのでしょう。
(*間違っていましたらご指摘ください)
エノキの老木は枯れた
なお、この地蔵堂の西隣りに、安産の神として信仰を集めた大歳神社があます。
大歳神社には、最近までエノキの老木があり、近在によく知られていたのですが、いまは枯れて、その後に松が植えられています。(no2747)
*『高砂の史情(森本勇著)』・『高砂市の文化財(石造篇)』参照
*写真:松村(曽根町)の地蔵