「稲美町探訪」も、重複した記事があるものの400号をこえました、2回ばかりコーヒーブレイクとします。
1月22日(土)の神戸新聞のコラム「正平調」に、稲美町の「ゆで干し大根」についての文がありました。
まだ読まれていない方のため再掲させていただきました。
新聞のコラムのため、題は付いていませんが勝手に「稲美町のゆで干し大根」としておきます。
稲美町のゆで干し大根
◆谷を吹き抜ける西風が鳴る。田んぼに置いた簀(す)の上で、大根も縮みあがる。冬晴れの日、兵庫県稲美町の草谷を歩けば、特産品「ゆで干し大根」を作る光景がみられる。
◆実はゆで干しではない。蒸し干しをする。大根を1㌢角で長さ15~20㌢切り天日干しに。それをせいろで蒸す。再び寒風にさらすと、縮れてほんのりあめ色になる。生産高の多い長崎ではゆでて作るが、蒸す方が甘みが残るという。
◆起源を聞き歩いたが、はっきりしない。隣接する三木市にあった相野飛行場が戦後、払い下げられ、開拓に入った人が製法を伝えたとの説を聞いた。飛行場跡には当時、ため池がなく、米作は難しかった。栄養価の高い保存食として、神戸港に入る船員が買いに来たとも。
◆いずれにせよ稲美の風土に合って郷土食となった。地元では学校給食にも出る。農協の直売店に行けば買える。ただし生産者は減り続けている。切るのも干すのも、すべて手作業だ。厳冬期の重労働は高齢化が進む農家にはきつい。
◆一番の若手という男性は今年70歳になる。「手間の割に単価はしれている。『今年もぜひ』と頼まれているけれど」。10年後を尋ねると「関税撤廃になったら農業を継ぐ者がいるか」と不機嫌になった。
◆それでも帰り際「ええもん作るのは誇りや」と男性は笑った。土産にもらったゆで干しを高野豆腐と炊き合わせた。懐かしい味がした。大根の味はこうだった。
(以上、神戸新聞「正平調」より)
こんな文章を読んだ時には、「爽やか」な稲美町の風を感じます。
そして、無性に食べてみたくなりました。
先日「国岡のふぁーみん」で3袋買ってきました。一袋170円。
夕食が楽しみです。
酒の「あて」にもしてみたい。