樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

バードウォッチングのルーツ

2013年04月01日 | 野鳥
前回ご報告した野草観察の後、琵琶湖沿岸へ廻って野鳥を観察してきました。コハクチョウもオオワシも北へ帰った後なので特に期待していなかったのですが、うろうろ歩いているうちに夏羽のカンムリカイツブリを発見。しかも、求愛行動まで披露してくれました。こういう予想外の出会いがバードウォッチングの一番の醍醐味です。
図鑑には「青森県で少数が繁殖する」と書いてありますが、なぜか琵琶湖北部でも繁殖しています。
初めて見る夏羽はうっとりするほど美しく、以前NHKで見た求愛行動を初めてライブで観察できたので大変満足しました。



名前の由来である冠の羽毛や首の羽毛は特に美しく、19世紀のイギリスでは女性のファッションに使うためカンムリカイツブリが乱獲され、絶滅しそうになったそうです。それを防ぐため、1889年に創立されたのが「王立鳥類保護協会」((RSPB=Royal Society for Protection of Birds)。
この団体が、野鳥を捕獲したり飼育するのではなく、自然のままの姿を見て楽しもうという運動を始めたのがバードウォッチングのルーツだそうです。Bird Watchingという言葉が生まれたのも1901年とのこと。
鳥を観察するという楽しみを生み出したのは、カンムリカイツブリだったわけです。
以前ご紹介したアメリカのオーデュボン協会も、女性のファッション用にダイサギが乱獲されるのを防ぐために誕生しましたから、よく似た経緯です。
オーデュボン協会の会員数が日本野鳥の会の1桁上の56万人と知って驚きましたが、英国王立鳥類保護協会の会員数は何と300万人。本場は違いますね。

お知らせ
さて、上の動画の右上のロゴWBSJは、Wild Bird Society of Japan(日本野鳥の会)の略。実は、昨年から京都支部のホームページのリニューアルに取り組み、企画・構成からテキスト作成、さらに新設の「動画図鑑」用の編集を進めてきました。これまでに当ブログで使ったものはマークなしのままですが、ホームページ用に新たに編集したものにはロゴを入れました。
本日から一般公開となりましたので、みなさまにも見ていただきたくお知らせします。
「野鳥図鑑」のページはこちらです。
約200種類の鳥の動画を掲載していますが、その半分が私のもの。小文字の「wbsj京都支部」のロゴは、私の仲間が撮影・編集したものです。彼は20年以上鳥の動画を撮り続けているので、京都初記録のヤマショウビンなど貴重な映像が多いです。ぜひ、ご覧ください。

コメント (8)
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