樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ヒッチコック

2011年03月07日 | 野鳥

スリラー映画は嫌いですがサスペンス映画は大好きで、ヒッチコックの作品は名画座や自主上映に通って全35本中イギリス時代のも含めて33本見ました。一般的には「怖い映画」と思われているようで、代表作とされているのは『サイコ』とか『鳥』。 

この『鳥』はカラスやカモメが人間を襲ったり、頑固で愚かな鳥類学者が登場したり、言わば「反愛鳥家」的な映画なので、鳥仲間の間では「ヒッチコックのファンです」とカミングアウトしにくい雰囲気です(笑)。 

 

 

『鳥』を彷彿とさせるミヤマガラスの群れ(近くの干拓田で撮影)

 

あの映画には原作があって、イギリスで実際に起きた事件が題材になっているそうです。ヒッチコックのインタビュー集『映画術』を読むと、面白いことが書いてあります。

「これがワシとかタカといった猛禽類だったら、映画化はしなかっただろう」。つまり、身近なカラスやカモメ、スズメがある日突然人間を襲うから恐怖感が深くなるということでしょう。

映画の撮影中にもロケ地のサンフランシスコでカラスの群れが子羊を襲う事件があったそうで、ヒッチコックはその牧場へ行って話を聞いています。映画の中に、カモメに襲われた農夫が眼球をえぐられて死んでいるという、ヒッチコックにしては珍しく凄惨なシーンがありますが、その子羊の話からヒントを得たそうです。

 

 

宇治川のユリカモメ。今のところ人は襲っていません(笑)

 

最近、鳥インフルエンザで野鳥が白眼視されていますが、映画のような物理的な襲撃も化学的な襲撃も、人間に対する自然の復讐という面があるのではないでしょうか。

なお、『鳥』は東宝の「午前10時の映画祭・何度見てもすごい50」の1本として全国で上映されます。京都ではTOHOシネマズ二条326日から見られます。

私はつい先日テレビで見たばかりですが、多分また行くと思います。

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6 コメント

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Unknown (guitarbird)
2011-03-07 08:47:55
おはようございます
「鳥」はDVD買って観ましたがもう30歳くらいになってからのことでした。
あれはカモメだからリアリティあるなと思います。
ムクドリならそれほど鳥自体が恐くないし(笑)。
そちらはミヤマガラスが普通にいるんですね。
こちらは見られると話題になります。
ワタリガラスなら道東などで見たことがあります。
ちなみに私はヒッチコックの映画、何だったか忘れてしまいましたが、
戦中の映画で、主人公が図書館に用事があるシーンがあって、
夜8時半で、図書館が「もう」閉まっているのか、という台詞があって
それを聞いて驚き、こんな国と戦争すりゃ負けるよなと思いました(笑)。
私はヒッチコックは「裏窓」が好きです。
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ミヤマガラスは (fagus06)
2011-03-08 08:19:44
冬になるとこの干拓田に群れでやってきます。たまにコクマルガラスも混じっているようです。
図書館が出てくる映画は多分「疑惑の影」です。信頼していた叔父さんが実は殺人犯で、それを確かめるために図書館へ新聞を閲覧に行くというシーンだったと思います。
「裏窓」も名作ですね。後にモナコ王妃になったグレース・ケリーが出てました。「鳥」の主演女優はティッピ・ヘドレンで、その娘がメラニー・グリフィス。
ヒッチコックはああいう上品な美人女優しか起用しなかったようです。
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Unknown (guitarbird)
2011-03-08 09:38:33
ふたたびですが、そうだ「疑惑の影」です、WOWOWで観ました。
さすがですね、ありがとうございます。
ジョセフ・コットンが出ていたかと思います。
映画の話自体もいいと思いました。
「鳥」に出ていたのはメラニー・グリフィスのお母さんだったのですね。
確かに上品な美人女優さんはヒッチコックにこぞって出ている
という印象がありますね(笑)。
バーグマンも何かに出ていますね(度忘れしました・・・)
「知りすぎていた男」でしたか、ドリス・デイ、ケ・セラ・セラは。
やっぱり昔の映画はいいですね。
最近、新しい映画にあまり魅力を感じなくなっています・・・
年ですね(笑)。
返信する
よくご存知ですね (fagus06)
2011-03-08 18:08:36
ギタバさんの大好きなバーグマンは「白い恐怖」「汚名」「山羊座の下に」の3作品に出ています。
ヒッチコックの映画で3作も起用された女優はバーグマンとグレース・ケリーだけです。
ヒッチコックが一度だけセクシー系女優(キム・ノバック)を「めまい」という作品に起用したのですが、後に「あのキャスティングは失敗だった」と述懐しています。
ドリス・デイは上品系女優というよりも、映画の中で歌手という設定なので起用したのでしょうね。
私のヒッチコックのベスト3は、「北北西に進路を取れ」とギタバさんが上げられた「裏窓」「知りすぎていた男」かな?
一般的には「鳥」と「サイコ」が代表作のように言われますが、この2作はスリラー要素があるので、私的にはベスト3には入りません。

ジョセフ・コットンの映画を全部見たわけではありませんが、この俳優を悪役として起用したのはこの「疑惑の影」くらいではないでしょうか。
ヒッチコックだから許されたキャスティングでしょうね。

新しい映画は当たり外れがありますね。でも、最近見た「アンストッパブル」は良かったですよ。
列車が暴走するという、ギタバさんのような「鉄っちゃん」にぴったりの映画です(笑)。
しかも、主役がデンゼル・ワシントン。おすすめです。
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Unknown (guitarbird)
2011-03-11 00:39:07
またまたお邪魔します。
そうですバーグマン「汚名」観たけど覚えていないということは、
バーグマンが出ている、以上には思わなかったのかな・・・
ジョセフ・コットンは私が好きな映画20本に入るうちの
「第三の男」と「ガス燈」に出ているので好きな俳優です。
確かにいかにも善良そうな人柄で、「ガス燈」については、
この人だから信頼できたのでしょうね。
私もほんとは映画が好きなのですが、書き込みが長くなるので、
また映画の話題を上げてください(笑)。
返信する
「ガス燈」には (fagus06)
2011-03-11 07:55:58
ジョセフ・コットンとイングリッド・バーグマンが出てますね。
そう言えば、あの映画も、シャルル・ボワイエが実は悪人だったという意外性のあるストーリーでした。
「汚名」は私もどんなストーリーだったか思い出せません。
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