樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

フェンスとの闘い

2011年03月03日 | 街路樹・庭木

以前、「樹の珍百景」として歩道の鉄柵を飲み込んだプラタナスをご紹介しましたが、その後もあちこちで似たようなシーンに出くわしました。今回は珍百景ではなく、フェンスと闘う樹としてご紹介します。

 

以前ご紹介したプラタナス

 

まず、近くの水路に設けられたフェンスに残る枝。横に生えているサクラの枝が網目を抜けて伸び、そのまま太くなって抜き差しならなくなったのでしょう。枝を剪定したものの、取り除けないので、そのまま放置されたようです。

 

 

次は、散歩コースにあるアラカシ。フェンスの網目を完全に飲み込んでいます。上のサクラは樹の負けですが、こっちは完全に制圧しています(笑)。こうなったら、フェンスを切るしかないでしょう。

 

 

 

次は、京都御苑の石垣と闘うムクノキ。この状態を見ると、石垣が築かれる前からこの樹が生えていて、それを避けて石を組んだようです。

現在の京都御苑は平安京の御所ではなく、明治10年以降に整備されたものなので、工事が行われたのは約130年前。そのときすでに大木だったので伐採せずに残したのでしょう。

 

 

最後は、宇治川沿いにあるクロガネモチ。私もよく通る堤防の道で、以前から気になっていた巨木です。調べてみると、この場所は行政区分としては京都市伏見区になるので「京都市の巨樹名木」にも数えられています。

 

車に削られて枝が四角になっています

 

木の根元を見ると、幹が半分ほど堤防に埋まっています。これも京都御苑のムクノキと同様、堤防工事の際すでに巨木だったので伐採せずに残したのでしょう。

宇治川の堤防を築いたのは豊臣秀吉ですが、多分その時代ではなく後世の改修時にこうなったのだと思います。いずれにしても樹齢は数百年、たいしたものです。

 

 

フェンスや石垣といった人工物と苦闘しながら、樹木は健気に生きています。

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2 コメント

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Unknown (guitarbird)
2011-03-03 12:17:32
こんにちわ
こういう木を見ると無条件で応援したくなりますね。
そしてfagusさんのこうした記事を見ると自分でも周りで
ネタを探すのですが、なかなか記事まで結びつかず・・・(笑)。
ただし札幌の場合まだまちの歴史が150年くらいなので、
この手のものではあってもあまり迫力がないかもしれませんね。
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先日 (fagus06)
2011-03-04 07:00:43
本屋さんで樹木コーナーを物色していたら、こういう街路樹や庭木の異常な成長や不自然な剪定を取り上げた本が出ていました。著者は樹木医です。
おなじような事例が出ていたので、樹木に関心ある人は視点が似てくるのかな~と笑ってしまいました。
けっこう身近にこういう事例があるものです。そちらでも見つけられたら記事にしてくださいね。
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