樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

富士の峰

2008年12月08日 | 伝説の樹
宇治市の隣に久御山(くみやま)という町があります。規模は小さいですが、大型ショッピングセンターや高速道路のインターチェンジが建設されたために財政が豊かで、周辺市町との合併話には目もくれません。
その中央公民館の庭にサザンカの巨木があり、ちょうど満開だというので見てきました。

       
          (白花のサザンカ。まだたくさんの蕾がありました)

サザンカは童謡「たきび」でも知られるように、北風がピープー吹く今頃開花します。先日ご紹介したお茶の花と同じくツバキの仲間ですから、数少ない冬の花の一つ。生垣にもよく使われるので、「垣根の 垣根の 曲がり角」は多分サザンカの生垣のことでしょう。
久御山町のサザンカは樹齢200年以上と豪語するだけあって、私も初めて見る大きさ。もともと民家の庭にあったものを、7年前の高速道路の建設に伴って移植したそうです。町の木にサザンカを制定していることもあるのでしょう。

             
          (枝は剪定されているものの、まだまだ元気)

移植に際しては、祇園の枝垂れ桜の桜守りである第16代佐野藤右衛門さんのアドバイスを受けたとか。そのお陰で、老木にもかかわらず、今もご覧のようにたくさんの花を咲かせています。
うちの庭にも赤花のサザンカがありますが、野生種は白。でも、久御山町のサザンカは「富士の峰」という園芸品種だそうです。

       
              (うちの庭のサザンカは赤花)

童謡「たきび」では「サザンカ サザンカ 咲いた道 焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き」と歌うので、サザンカの落ち葉で焚き火していると思いますよね? でも、サザンカは常緑樹ですから焚き火するほど落葉しませんし、葉が厚いので燃えにくいはず。まぎらわしい歌詞ですね。

       
       (サザンカの横には成人式で植樹したスギが並んでいます)

ちなみに、久御山町のこの辺りの地名を「一口」と表記しますが、誰も読めないと思います。私が知っている「難読地名」のベスト3に入ります。「ひとくち」ではなく「いもあらい」。日ハムや阪神タイガースで活躍した片岡篤史選手はこの一口の出身です。
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2 コメント

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知らないことばかり (guitarbird)
2008-12-09 14:06:27
こんにちわ
私はふと、サザンカというのは、その童謡と大川栄作の曲でしか知らず、
常緑であるのもツバキの仲間であるのもこのような花であるのも
何も知らなかったことに気づきました。
ただ、漢字で「山茶花」と書くのは知っていたのですが、
なるほどお茶もツバキ科であるからかなとも思いました。
ただ、童謡の「焚き火」の落ち葉は他のよくある落ち葉であって、
サザンカの葉っぱを燃やしているわけではないとは昔から思ってました。
しかしそれがなぜだかは分かりません。
でも間違いなく、サザンカを燃やしているのではないと思っていました。
明日からまた東京に行くのですが、東京でも咲いているでしょうか・・・(笑)。
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東京なら (fagus06)
2008-12-10 08:45:07
あちこちにサザンカの生垣があると思います。今頃、赤や白の花を咲かせているでしょう。
「山茶花」という漢字は中国のものですが、中国では「山茶花」はツバキを意味するそうです。里にある茶の木に対して、山にある茶の木という意味でしょう。
サザンカは日本固有で中国にはないようです。
ややこしいですが、「椿」は中国ではまた別の木(チャンチン)を意味します。
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