樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

タマシギのヒナ救出

2024年09月12日 | 野鳥
相変わらず、猛暑の中3日に1度の頻度でシギ・チドリ観察に出かけています。
先日、これまで行ったことがないエリアに踏み入れると、水路沿い農道脇にタマシギの雄がヒナ2羽を連れてウロウロしています。



この鳥が農道に出てくるのは珍しく、最初は「水路の向こう岸にある田んぼに移動したいけどヒナが飛べないので、渡れる場所を探しているのかな?」と思いましたが、そのうち反対側から自転車が近づいたので、親鳥は飛んで逃げました。
「ヒナはどうなった?」と振り向くと、2羽とも姿がありません。水路に落ちたようです。救出しないと死んでしまうので、あわてて水路を探すと小さなヒナが3羽浮かんでいます。全員を手で救い上げて、農道脇に置きました。つまり、3羽いたヒナのうち1羽が水路に落ちたので、親鳥は残りの2羽を連れてオロオロしていたわけです。


救出したヒナ

タマシギは他の鳥と違って一妻多夫で、雌は産卵すると子育ては雄に任せ、別の雄とつがいになります。なので、ヒナを連れているのは雄親。水路の隣の田んぼでしばらく観察していると、別の雄が2羽いました。うち1羽が以下。



2日後、同じ田んぼの畔で雌を発見。つまり、ここには雌が1羽、ヒナ3羽連れの雄親が1羽、単独の雄が2羽いることになります。多分、1羽の雌を中心にハーレムが形成されているのだと思います。これまでにも、1枚の休耕田に雌1羽、雄3~4羽がいたことがありました。
なかなか面白い生態を観察することができました。こういうことに遭遇するので、干拓地のシギ・チドリ観察はやめられません。
コメント (2)
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